キクモ
 石黒では出会ったことはない。昔は水田の雑草として普通に見られたものであろうが、除草剤により絶滅寸前のウキクサマツモなどと同じ運命にあるのであろう。
 上写真の個体は、一昨日(9/11)柏崎市街地近くの水田の端の部分に生えていた。初めて見た植物で名前が分からなかったのでWEB上で調べると、「コキクモ」あるいは「キクモ」であることが分かった。愛用している「牧野植物図鑑」及び平凡社の「日本の野生植物」の索引には「キクモ」の項目はあるが「コキクモ」は見当たらない。
 そんなわけで本頁は「キクモ」とした。また、茎に軟毛があること(右写真)、花柄がないこと(右上写真)からキクモで間違いないと思うが、詳しいお方がおられたら御指導をお願いしたい。

写真2019.9.11田塚


              花  期

 写真2019.9.26田塚
(曇天)
写真2019.9.30田塚
(晴天)

            ミズワラビと共に
写真2019.9.11田塚

          下部と上部の葉の比較

写真2019.9.11田塚



解 説
ゴマノハグサ科
 本州、関東、中国地方に稀に分布する多年草
 茎は水中で枝分かれして横に這い、水中葉を形成し、やがて先端部5〜10cmが立ち上がって水上葉を形成する。水上葉は6〜10枚が輪生し、長さ7〜30mm。茎の上部になるにつれて深裂から鋸歯状へと変化する。
 花期は8〜11月。 花は白色または淡紫色で、長さ7〜11mm。水上葉の腋に1個つく。
上唇は広円形でほとんど全縁、下唇は深く3裂し、裂片は卵円形。
花は曇天時に閉じ、日光が当たると開く。

 果実は、さく果で広楕円形、長さ3〜3.5mm、幅3mm、ほぼ同じ長さのガクに包まれている。
 絶滅危惧II類(VU) に指定されている。
 名前の由来は
水上葉がキクの葉に似ていることによる。



        幼 苗
 写真2019.9.26田塚

      閉じた花冠

     開いた花冠
写真2019.9.29田塚

       茎の軟毛
写真2019.9.11田塚