ミズワラビ | |
暮らしとの関わり ミズワラビは未だ石黒では出会わない。市街地の周りの放棄田で見たときには遠目にはスギナのように見えた。 近づいて観察するに水中の葉はコウヤワラビの葉を想わせる形であり水面上の葉は鹿の角状である。 名前について、いろいろ調べたが分からず2年ほど過ごしてきたが、今日(2010.10.6)、牧野植物図鑑を見ていて、これだと合点した。 除草剤が使用されるようになり今では激減し各地で絶滅危惧種に指定されているという。柏崎市街地付近でもまれにしか見かけないが時には群生に出会う。→参考写真 ところで、ミズワラビは昔の石黒の水田に自生したいたものであろうか。子どもの頃から田の中や畔に生える草には親しんで来た(草取りの手伝いをさせられ憎んで来たと言うべきか)が、この形の草姿の記憶はない。 ちなみに、日本海側では新潟県中部,太平洋側では茨城県中部以が北限との報告もある(また1990年代に、山形・福島に自生を確認したとの報告もある)ので、石黒はまさに北限ラインに位置する。多雪地帯でもあり石黒には自生出来ない植物ではなかろうか。 今日(2012.10.12)、観察するに、角状の胞子葉の羽片の外縁は裏側に反転し、その内側に球状の胞子嚢を葉脈にそって、1個づつ並列してつけていた→下写真。 写真2008.10.1 田塚 発芽のころ 写真2016.8.2田塚 幼体の群生 写真2012.8.13田塚 胞子葉の様子と短い根 写真2010.10.12田塚 巻き込んだ葉の中に見られる胞子嚢 写真2010.10.12田塚 成長過程の様子 写真2008.10.1田塚 |
解 説 ミズワラビ(ホウライシダ)科 本州中部以西の水田や沼沢や湿地などに生える一年草。 根茎は短い(左下写真) 葉は束生し柔らかい。葉柄の横断面は四角(下写真)。高さ20〜40p。淡緑色で無毛。栄養葉と胞子葉に分かれる。胞子葉は2〜3回に分裂し鹿角状(左写真)。栄養葉は胞子葉よりは短く水中または、水面近くにあり成長葉は2〜3回羽状に深裂する。裂片は鈍頭で不規則な形(下写真)。 葉が水面にある時に羽片から無性芽を形成し葉と根を出して脱落する。これが熱帯魚屋で売られるウオータースプライト。 サラダなどにして食用になる。 名前の由来は水中に生ずるシダの意味。 新芽 写真2010.10.12田塚 拳(こぶし)のような芽 写真2008.10.1田塚 幼体 写真2012.8.13田塚 栄養葉 写真2008.10.1田塚 胞子葉 写真2008.10.1田塚 茎の断面 写真2008.10.1田塚 |