イソニガナ | |
昨年〔2012〕から柏崎市の海浜植物についても、本サイトに掲載することにしたが、撮影を始めたのが9月であったため、撮影期間が短く撮影できない植物も多かった。 イソニガナは日本固有種で新潟県の柏崎市にだけに自生する珍しい植物(下注参照)であるが、昨年はついに出会うことはできなかった。 今年〔2013〕は春から撮影リストの最重要種にあげ撮影に臨んだが、意外と早く出会うことができた。しかし、今年は6月上旬に30度を超える異常な高温の日が続き、早朝の撮影であったために開花の写真が撮れなかった。 ようやく、6月15日の午後2時ごろに自生地を訪れ、まばらな開花であったが撮影できた。 花はハナニガナに酷似している。とくに形態的にはオオバナニガナに最も近い種であるとされる。 注→先般、博物館から入手した田中啓介氏の調査報告「新潟県海岸沿いに自生するイソニガナの現状」によれば本種の自生は柏崎海岸に限らないことが分かった。柏崎市以外に上越市の名立、郷津、三島郡出雲崎町、長岡市寺泊、新潟市西蒲地区などに自生が確認されている。とくに郷津のびょうぶ谷野球場では4000以上の個体が確認されている。 参考画像→花期のイソニガナ 写真2013.6.11柏崎市海岸 写真2013.6.15柏崎市海岸 根生葉と茎葉 写真2013.6.15柏崎市海岸 写真2013.6.11柏崎市海岸 自生地の様子〔右手前ママコノシリヌグイ・奥はハマニンニク〕 写真2013.6.15柏崎市海岸 岸壁にはえる個体 写真2015.6.2柏崎海岸 果実 写真2013.6.15柏崎市海岸 |
解 説 キク科 海岸近くの草地や海に面した湿り気のある崖などに生える多年草。 ニガナの亜種。絶滅危惧U種。 日本固有種であり、新潟県柏崎市の海岸の一部にのみ見られる。 茎は直立して上部で分枝し高さ20〜30p。茎を折ると乳液がでる。 根生葉は、広卵形または広楕円形で基部は長い柄となる。茎葉は互生し長さは3〜8pで耳状となって茎を抱く。 花期は5〜6月。頭花は散房花序で黄色。頭花の数は9〜11個で花冠の直径は約1p。 総苞は6mm以下でニガナに比べて短い。 名前の由来は磯に生えるニガナの意味であろう。 幼苗 写真2013.6.11柏崎市海岸 茎葉の基部 写真2013.6.11柏崎市海岸 葉裏 |