イケマ

暮らしとの関わり
 石黒では、希に見かける植物である。
 花がついて初めて注目する。葉だけの間は他に似たつる草があるため目を引くことがないのであろう。
 仲間のガガイモのような強い個性がないこともあまり知られない原因にちがいない。
 果実や種子を今後観察したい。〔※2009年になっても出会うことが出来ないことは石黒には個体がごく少ないということだろう〕
 
2010.9.18に探していた果実に下石黒地内(城山の山すそ)で偶然に出会った。形はほっそりしているが果実や種子は、ガガイモとよく似ている。→参考写真
 イケマはアサギマダラの幼虫の食草であり、成虫が黒姫山で採集された記録はあるが、採取されたチョウは土着のものではなく南の地方から移動してきたものであると考えられている。〔柏崎・刈羽のチョウ-柏崎昆虫愛好会刊〕
 このことからもイケマは石黒での自生はごく限られたものなのであろう。

(写真2005.7.12板畑)


    他の草にからみついている様子

撮影2005.7.12板畑

        花冠と副花冠

撮影2005.7.12板畑

               果実

写真2010.9.18下石黒

    細く長い冠毛をつけた種子→参考画像

写真2011.11.29下石黒

解 説
ガガイモ科
 沖縄を除く日本全国の日当たりのよい草原や林縁などに生えるツル性多年草
 根は太く枝分かれして肥大し茎は数本まとまって出る。茎を切ると白い乳液がでる〔下写真〕
 葉は長い柄があり心臓形で長さ5〜15p、幅4〜10p。裏面は艶がある。
 花期は7〜8月で葉の付け根から6〜10pの長い花枝を伸ばし先端に多数の小花を半球形につける〔左写真〕
 ガクは緑色で5裂し花冠も5裂し裂片は反り返り内面に細毛がある。長さ4〜5o。副花冠は白く裂片は雄しべと合着し真っ直ぐに突き出る〔左下写真〕
 果実は細長い袋状で長さ8〜10p、熟すと裂けて絹糸状の冠毛をつけた多数の種子が飛び出す(左写真・参考写真
 名前の由来はアイヌ語の「カムイ・ケマ→神の足」の一部を呼び名にしたといわれる。そのほか馬の薬として「生き馬」等諸説がある。



         発芽

撮影2011.5.27 蒔種したもの

      葉の付き方

撮影2005.7.12板

      葉の表裏

撮影2005.7.12板畑

        乳液
撮影2005.7.12板畑