ヒロハテンナンショウ | |
暮らしとの関わり ヒロハテンナンショウは、石黒では「ヤマゴンニャク」と呼んだ。ごく普通に見られる植物の一つである。 主に湿った広葉樹林や杉林の中に多く、沢沿いにもしばしば見受けられる。大きいものは50pにも達する。 晩秋のうす暗い林の中で鮮やかな赤い実が遠くから目をひく。ヒロハテンナンショウがもっとも注目されるのは果実が赤く熟すこの季節である。 縦縞のある変った形の花も晩秋の赤色の実も美しいが、なぜか石黒では昔から余り好感を持たれない植物であった。 ちなみに、同属のウラシマソウやマムシグサは石黒には自生していないようだ。 (上写真2005.6.25下石黒・右上2005.5.6落合・右下2005.10.12落合) 果実をつけたヒロハテンナンショウ 写真2005.10.28下石黒 球茎とわき芽となる子球 写真2008.11.12下石黒 ヒロハテンナンショウの穂軸面 写真2008.11.12下石黒 ヒロハテンナンショウ花期草姿 写真2008.6.14下石黒 全体の草姿 写真2009.5.8寄合 政栄 若い果実の断面 写真2009.5.8寄合 開花まで 写真2011.5.8落合 花期 写真2009.5.19上石黒 穂軸とその内面 写真2011.11.1下石黒 冬の様子 写真2011.12.15下石黒 |
解 説 サトイモ科 北海道・本州〜九州北部、特に福井以北の日本海側のブナ林に多い多年草。 コンニャク玉に似た球茎があり(下写真)、球茎上にふつう3個ずつ横に並んだわき芽となる子球があってそこから新芽を出す〔左写真〕。 参考画像→花根茎断面画像 茎は偽茎は、葉柄とほぼ同じ長さ、花柄の出口には襟状のヒダがある〔左写真〕。高さ20〜45pほど。 葉はふつう1個で長い柄の先に小葉5〜7枚(小葉には柄がない)を鳥足状に広げる。〔左写真〕晩秋に赤い実を残して葉は枯れてしまう。小葉の長さは10〜20p、幅4〜7p。 花期は5〜6月。花序は葉より低い位置につき仏炎包で白い縦縞がある〔下写真〕。仏炎包の長さは3〜8pほど。花柄は1〜6p。 花序の付属体〔下写真→中に果実がつく柄のある棒状のもの〕は長さ2〜5p。径2〜6o。 果実は赤い球形で花茎の先にかたまってつく〔下写真〕。 名前の由来は「広葉天南星」で小葉が広いことによる。 新芽と球茎 写真2011.5.18中後 ヒロハテンナンショウの新芽 写真2006.5.7 下石黒 写真2007.5.16 下石黒 写真2006.5.11下石黒 花一部拡大と断面 写真2005.5.6落合 果実の成熟への変化 撮影 7.1〜12.13 花柄の出口の襟状ヒダ |