ヒメヘビイチゴ
暮らしとの関わり
 石黒ではヘビイチゴと一緒にして「ヘンビイチゴ」と呼んだ。葉は立派なイチゴの葉であるが果実は小さく赤く熟すこともない。
 草や木の実がおやつ代わりだった終戦前後の子ども達にとって、「ヘンビイチゴ」はまさに、その名の通り役立たずの軽蔑すべき植物であった。→子どもの暮らし
 しかし、今にして観察すると日陰の路地などにひっそりと生えているヒメヘビイチゴは草姿もよく、小さな花も美しい。
 ヘビイチゴに似るが、こちらは果実が赤くならない。その他、花は半分ほどの大きさで葉も小さいことなどで区別できる。

写真2005.5.15上石黒)


                花期
写真2011.4.30畔屋

      毛が少ないガクと副ガク

写真2005.5.19下石黒

         白緑色の葉裏の毛

写真2005.5.19下石黒


解 説
バラ科
 全国各地の山野の湿ったところに生える多年草。蔓状の茎を地面を這うように分岐して伸ばす。茎には毛がある(下写真)
 葉は柄があり対生し3小葉からなり長さ1〜3pで裏面は粉白色を帯び、粗い毛がある。縁には粗い鋸歯がある(左下写真)
 花期は6〜8月。葉の付け根から花柄を出し直径7ミリほどの黄色い花を1個つける。ガク5個、副ガク5個、花弁も5個で先がやや凹む。
 実はつけるがヘビイチゴのように赤く熟さない。
 名前の由来は、小さい食用にならないイチゴの意味。



       つるの毛
写真2005.5.19下石黒

 ヘビイチゴの花(下)との比較
写真2005.5.19下石黒