ヘビイチゴ | |
暮らしとの関わり ヘビイチゴは石黒では、「ヘンビイチゴ」と呼び、子どもの頃から有毒で食べられないものと思いこんでいた。「ヘンビ−蛇」の頭につく名前の植物には、いずれも「食べられない・有毒」という印象を持っていたように思う。 食べられるものは何でも食べた昭和20年(1945)代の子どもたちもヘビイチゴには誰も手をださなかった。 果実の様子もナワシロイチゴなどに比べ小型で艶がなく魅力に乏しかった。葉色も黄色を帯び生気のない印象を与えた。 当時に限らず今でも大抵の人はヒメヘビイチゴと区別なく見ているであろう。そういう自分もつい最近まで、ヒメヘビイチゴの実を未だ熟さないヘビイチゴの果実であると思っていた。 写真2009.5.14 寄合 ヘビイチゴの走出枝 写真2009.5.14 寄合 ヘビイチゴ葉と花柄 写真2009.5.14 寄合 葉裏の脈状の毛 写真2009.5.14 寄合 たわわに実ったヘビイチゴ 写真2007.6.12 寄合 |
解 説 バラ科 日本全国に分布。道端や野原などの日当たりのよいところに生える多年草。 長い走出枝を出す。 茎は花の咲く頃は短いが果実になる頃には長く伸びて地面をはい、節から根を出して増える。軟毛がある。 葉は互生して長い柄がありあらい鋸歯のある3枚の小葉からできている〔3出複葉〕。長さ2〜3p、幅1.5〜2p。表面は、ほぼ無毛だが葉裏は葉脈に沿って毛が生えている〔左写真〕。 托葉は卵状皮針形で全縁、長さ約7o〔下写真〕。 花期は4〜6月。葉の脇から長い花柄を伸ばして黄色の花をつける。 ガク片は広皮針形、先端は鋭く尖る。副ガク片は倒卵状のくさび形先端が3裂しガクよりもやや大形で長い毛が密生する〔下写真〕。花弁は広い倒心臓形でガク片とほぼ同じ長さ。 そう果はごく小さく赤色で粒状、表面に凸凹があって熟すると球形にふくらむが〔上写真〕海綿質で味がなく食用には適さない。 名前の由来は人間は食べられずヘビが食べると考えられたことによる。あるいはイチゴを食べに来る小動物をヘビが捕るなど諸説がある。 萼片および副萼片 写真2009.5.14 寄合 写真2009.5.14 寄合 托葉 写真2009.5.14 寄合 海綿質の果肉 写真2007.6.12 寄合
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