ハマニガナ
暮らしとの関わり
 柏崎市街地の裏浜にはごく稀にしか見られない。砂浜が浸食されてテトラポットに変わった現在の浜では当然であろう。(※ちなみに、筆者が海釣りに熱中した1970年ころは鵜川の河口から鯖石川の河口まで広い砂浜が続いていた)
 春から裏浜を7〜8回歩いてもハマニガナに出会うことは出来なかったので半ばあきらめていたが、本日(2012.8.5)
早朝にコマツヨイグサの開花の撮影に訪れたところ、偶然数株の個体に出会ったが花は開いていなかった。
 花は未だ開いていなかったが全体の姿がジシバリに似ていると感じた。個体によっては、花が終わって白い冠毛をもったそう果を放出中のものもあった(右上写真)。
 その後、荒浜海岸の砂浜の通路に砂に埋もれるように咲いている個体と出会った。(上写真)
 名前の由来についてはニガナに似ることによるとあるが、むしろ似ているのはジシバリであると筆者は思う。
 今朝(2012.8.31)鯖石川河口の東側の海岸でハマニガナの群生に出会った。ここから松波、荒浜海岸には普通に見られる。
 西側の海岸の防波堤にほとんど見当たらないのはなぜであろうか。整備が進みハマニガナには不適な環境となったのかもしれない。 

写真2012.8.29 荒浜海岸


       砂礫の傾斜地に生えたハマニガナ

写真2012.8.5 裏浜

    長い地下茎と砂に埋もれる葉柄の下部



写真2012.8.5 裏浜 (砂を除いて撮影し埋め戻す)

                群生

写真2012.9.31 松波海岸

  台風による高波を受けて砂に半ば埋まったハマニガナ

写真2012.10.3. 松波海岸


写真2012.10.25. 松波海岸

解 説
キク科
 日本全土の海岸の砂地に生える多年草。砂中に白く長い地下茎を伸ばし、盛んに栄養繁殖を行う。葉の形は変化に富む。
 葉は互生し長い柄をもち葉柄の下部は砂に埋もれている(左下写真)
 葉は厚くふつう3裂するが、切れ込みの数や程度は様々で変化が多い。
 葉身の長さは3〜5cm。茎や葉を切ると白い乳液がでる〔下写真〕
 花期は4〜10月。屋久島以南では一年中開花が見られる。
 花茎は10cm程度で下部は砂に埋もれている。頭花は直径2cmほどで黄色の舌状花のみからなる。花茎の先端に3〜4個つく。舌状花の数は15〜20個ほど。冠毛は白色(上写真)
 名前の由来は、ニガナ(ハナニガナ)に似て海岸に生えることによる。また、葉の形がイチョウに似ている(上左写真)ことから「ハマイチョウ」の別名がある。



     葉の形とツボミ

写真2012.8.29 荒浜海岸

        乳液
写真2013.5.18 裏浜海岸

       つぼみ
写真2012.8.26 荒浜海岸

         花

写真2012.8.29 荒浜海岸



       そう果

写真2012.8.5 裏浜