ギシギシ | ||||||||||
暮らしとの関わり 石黒では「ウマノスッカシ」と呼んだ。「スッカシ」はスイバのことであるから「馬のスイバ」という意味であろう。 ギシギシは、田の畔や畑の周りに生えると1mにも達するものがあった。 刈り取っても2番芽がたちまち成長して巨大な葉を広げ、(上写真は2番芽)除草剤のなかった昔は除去の困難な強害草として嫌われた。 一個体に付ける種子は約一万粒で土壌に埋った種子の寿命が極めて長く、20年経っても8割以上が発芽するといわれている。 筆者の記憶では、畑に生えたギシギシは、根は肥大していて地中深く伸びているので手で引っ張ったくらいでは抜けなかった。完全に駆除するにはスコップで掘り起こす他なかった。鍬で地中の根を切り取った時の鮮やかな黄色の色が印象に残っている。 子どもたちは食べられるスイバは好んだが、ギシギシには見向きもしなかった。のみならず、ギシギシはスイバの化け物のような不気味さを感じる植物であった。しかし、今では、老齢になり畑も家庭菜園程度となると、昔は、憎し強害草であったギシギシに対する見方も変わり、その旺盛な生命力に感心するようになった。 酷似した種にエゾノギシギシがあるが、石黒ではギシギシに比べて少ない。とは言え、両者の区別は未だ筆者にはよくできない。 本サイトにギシギシを掲載したのは今(2018)から14年前であるが、それから毎年、否応なくギシギシとは数回にわたって向き合ってきたが、エゾノギシギシ、ナガバギシギ゛シとの区別はよく 出来ないまま今日に至っている。できれば、今年は、葉のつき方、形、大きさ、花や果実の鋸歯などを詳細に比較してみたいとは思っている。しかし、交雑による雑種もあるのではないかとも想われ正直なところ余り乗り気になれない。 (写真上2005.7.9上石黒 右上下2005.9.29下石黒) 花のつきかたとつくり 写真2009.6.1寄合 そう果を包む3個の翼状のガク 写真2009.6.1寄合 春のギシギシ 写真2018.3.10新田畑 写真2007.5.1寄合 群生 写真2009.10.18上石黒 冬の様子 写真2014.1.7畔屋峠 根の様子 写真2010.9.16落合 果実比較の試み
|
解 説 タデ科 全国の野原、道端、田畑の周りに自生する多年草。長大な黄色の根をもつ。雌雄同株。 茎は直立し高さは60〜100p。 葉は、質は柔らかく、根生葉は群がり出て長い柄があり長楕円形で先端はとがる。基部は円形または、ややくさび形である。長さは15〜20p。 茎の葉は細長く柄が短い。 花期は6〜8月。茎の上部から枝分れし枝上に細かな花〔総状花序〕をつける。多数の淡緑色で柄のある小花を輪生し葉状の包が混じる。 ガクは6個で花弁は無い。雄しべは6個、花柱は3個。柱頭は毛状に裂ける〔左写真〕。 花がすむと内側の3個のガクが増大し丸い翼状となり3稜あるそう果を包み縁には鋸歯がある〔左写真〕。 また、背面には白色のこぶ状の突起がある。熟すと褐色に変わる〔下写真〕。 酸を抜けば食用となるとのこと。根は漢方薬となるそうだ。 名前の由来は不明であるが、茎をこすり合わせた音という説があ.漢名は羊蹄は花の形によるもの。 花 写真2011.6.21下石黒 そう果 写真2008.7.6下石黒 花期 |