ダンドボロギク
暮らしとの関わり
 10月になると石黒の野山で目立つ植物のひとつである。一見、アキノノゲシコウゾリナに草姿が似ている。花はそれほど目立たないが、純白の冠毛が秋の日差しの中で輝く様が目を引く。
 山地の伐採後に急速に広がる性質があり、太平洋戦争敗戦後に急激に増えたがその後は減ってきているといわれている。このような性質から、山火事の後に真っ先に生えるため、アメリカでは「火の花−fire weed」と呼ばれているという。このような性質はベニバナボロギクに似ているといえる。


(写真2007.10.1 大野 元屋敷)


               つぼみの頃

写真2009.8.25大野
         ダンボロギクの花

写真2006.9.16大野

           花期から果実期へ

写真2007.10.12大野

      種子を飛ばすダンボロギク

写真2007.10.4寄合

         細い冠毛

写真2009.9.30上石黒

   ソウ果頂端の白いリング

写真2009.9.7上石黒

   
解 説
キク科
 北海道から九州までに見られる北アメリカ原産の帰化植物。一年草。
 道端や空き地などに多く生える。種子で繁殖する。
 茎は縦のすじがあり〔下写真〕高さは50〜200pで上部で多く枝を分ける。 無毛のものから毛に覆われたものまで変異が大きい。
 葉は互生〔下写真〕柔らかく、皮針形から長楕円形で長さ10〜20p。縁には大小の切れ込みがある〔左写真〕。葉形や大きさにも変異が多い〔左上写真〕。茎上部の葉は柄はほとんどなく茎を抱く。
 花期は9〜10月、多数の頭花をつける。花は淡緑色で冠毛は純白。花の径は約1p、長さ1〜1.5pで、緑色の革質の総包片が多数ある。頭花を形作る花はすべて筒形の黄色い両性花舌状花はない。花筒はやや褐色を帯びた淡緑色。
 そう果は長さ3〜5oの細長い楕円形で縦に16〜20本のがあり稜と稜の間は細い毛によって覆われている。そう果の頂端には白いリングがあり、冠毛は極めて細く白色で長い〔左写真〕
 名前の由来は昭和8年に発見された場所、愛知県の段戸山の名前にちなんだもの。ボロギクは幌菊。



     茎の縦の条

写真2007.9.23大野

       茎断面

写真2009.9.7大野

     葉のつきかた

写真2007.9.23大野

   葉の不揃いの鋸歯

写真2009.9.7下石黒

    舌状花のない花冠
写真2006.7.12下石黒