ハリガネムシ | |
暮らしとの関わり 大抵の人は一度は目にした生物であろう。 上の写真は筆者の石黒の庭に置かれたクッキーの缶に、たまった水の中にいた。今日でちょうど3週間生き続けている。 おそらく、カマドウマ〔右下写真〕かカマキリの体中に入って運ばれてきたものに違いない。 ハリガネムシは、子どもの頃から、何度か見た記憶があるが、右の解説にあるような生長過程は初めて知った。 それにしても、宿主のカマキリやカマドウマを水辺へ向かうようにしむけるメカニズムはどのようなものであろうか。生長が終わると宿主の肛門近くに穴をあけて宿主が水辺に近づいたときに脱出するという説が有力である。 一説によると、宿主に自殺を誘発させる物質を与え水辺へと誘うのだと言う。突飛な説だがあながち否定もできまい。 まさに自然は興味の尽きない世界である。 写真上2006.10.18.下石黒 |
解 説 体が針金のように細長く体長10〜40pで1mに達するものもある。 体色は白色、黄色、暗褐色などいろいろである。雌雄異体で交尾して産卵する。 水中で孵化した極小〔約0.04o〕の幼虫はユスリカやフタバカゲロウなどの幼虫が給水するときに体内に侵入して成長する。 そしてユスリカなどが成虫となりカマキリなどの餌となってカマキリの体内に移動しそこで寄生生活をおくり成長する。 成長が終わると水のあるところで脱出し水中で交尾し産卵する。 カマキリ、バッタ、カマドウマ〔写真右下〕の他にイワナなどの魚の内臓に寄生することもある。極めて少ないが人の体内の寄生例もあるという。
|