オオミズアオ
暮らしとの関わり
 子供の頃の見た印象が鮮やかに残っている蛾の一つだ。
 大型の蛾で、美しいと思う蛾はこのオオミズアオくらいなものであろう。
 朝、家の窓辺で見かけて思わず見とれた記憶がある。4枚の翅にある猫の目のような眼紋も印象的である。
 オオミズアオには、学名「月の女神」にふさわしい美しさがある。(参考画像)
 しかし、大多数の人の蛾に対する偏見は根深く、蝶に比べても見劣りしないほど美しいたオオミズアオに対しても「気持ちの悪い生き物」という観念が先行してしまう。
 筆者もその一人であったが、HPの作成で多くの蛾に接してみると蝶の10倍以上の種類がある蛾の世界は実に奥が深いことに気が付いた。翅の紋様や色合いも蝶のように派手ではなく日本古来の「渋さの中の美」とでも言いたいものが感じられる。また擬態などは、まさに目を疑うほどのものも数多くある。

〔写真 2006.8.17下石黒〕


            翅下から

写真2007.6.10下石黒

               翅上から

写真2005.8.14下石黒
                 雌

写真2007.8.15下石黒

解 説
ヤママユガ科
 北海道から屋久島まで分布する。
 大型の蛾で開帳8〜12p。羽〔〕は薄い青色で後はねは尾状にのびでいる。前後のはねに眼状の紋がある。春夏、年2回発生し、よく灯火に飛来する。
 幼虫はサクラクリコナラなど多くの樹木の葉を食べる。〔幼虫参考画像〕さなぎで越冬する。
 学名「artemis」はギリシア・ローマ神話に出てくる月の女神の名前だという。


      横から見た様子


       雄の触覚

写真2007.8.11下石黒

  翅表面と紋様の拡大

写真2007.8.7下石黒