ツキヨタケ
暮らしとの関わり
 ブナ林の多い石黒ではよく見られるキノコの一つで、いかにも美味しそうな毒きのこである。→下写真参照
 全国での毒キノコによる中毒例の半数以上がこのツキヨタケによるものと言われる。とくに、ヒラタケムキタケ、シイタケと形が似ていて発生時期も重なり、発生場所も共通するため誤食することが多いといわれる。
 ツキヨタケは古くから毒キノコとして知られており、「今昔物語」では「ワタリ」という名前で登場し毒殺未遂事件に使われた話が記されている。また、海外で「極東の鬼火」とか「狐火」などと呼ばれているそうである。
 ツキヨタケ、ドクササゴ、クサウラベニタケは新潟県では三大毒キノコといわれている。

〔写真上2006.10.25下石黒 撮影者政栄 右2006.10.5落合〕
解 説
キシメジ科
 秋、ブナ・イタヤカイデなどの枯れ木に多数重なって生える。
 傘は半円形で10〜25p。表面は幼時は黄褐色で細かいささくれがある。生長とともに紫褐色〜暗褐色となり、ややロウ質の艶を帯びる。
 柄は長さ1.5〜2.5pで傘の横につき、ひだとの付け根の境にツバ状の突起がある。茎を立てに裂くと根本に青黒い斑紋がある。〔写真右下〕これが類似キノコとの識別ための特徴の一つである。〔しかし、薄いものや全然ないものもあるので要注意〕
 また、ひだの部分に発光性があるので、暗闇において目をならしてから観察できる。しかし、老菌になると発光性が失われるので要注意 毒
ツキヨタケの群生

                  2008.10.14大野地内 撮影政栄