ムラサキナギナタタケ
暮らしとの関わり
 石黒では現在では未だ出会ったことはない。
 本種を、子どもの頃に「ネズミタケ」と呼び、知っているごく数少ない食べられるキノコの一つに入っていたように記憶する。
 だが、図鑑で調べると一般にネズミタケとはホウキタケの事で本種とは異なるようだ。
 いずれにせよ、筆者にとっては子どものころから親しみを持ったキノコと出会ってうれしい。しかし、本種の撮影地は市街地周辺の山であり、石黒に自生している証明にはならない。
 石黒には、もともとマツが少ないところ何度かの松くい虫の被害にあい数えるほどしかないのが現状だ。上石黒から大野集落を経て地蔵峠を越える街道沿い(俗称松之山街道の脇街道)の見事なアカマツも数本をのこして枯れてしまった。
こんな自然環境が本種が石黒ではごくまれにしか見られない原因であろう。
 そんなことからも、本種は、筆者の子どものころに親しんだネズミタケの遠い記憶中のイメージとは一致するが、雑木林で採ったことから、やはり別種であろう。
 それはともかく、ここで見たムラサキナギナタタケの群生は見事であった。→参考画像

(撮影日20.10.6 河内)


                 群生
写真 2013.10.6 河内

解 説
シロソウメンタケ科
 全国の針葉樹林の地上に群生する。高さ2.5〜12p。平たい棒状で束状になって群生する。
色は全体に淡紫色〜灰褐色でやわらかな美しい。肉は円筒状でもろい。
胞子は楕円形〜長楕円形。
食べられるが、無味無臭。夏〜秋にかけて主にマツの林床に多く見られる。


     全体の姿
写真 2013.10.6 河内