オゴケ〔オケ〕   
 
 石黒の方言名「オブケ」は、オゴケの訛った呼び方であろう。
 オゴケは越後縮みの原料となる苧(カラムシ)の皮(青苧)を指の爪先で細く裂いて繋いだ糸を入れる器で檜の薄板を曲げて作った桶である。
 〔一説によると、桶の語源は苧筍〔おけ〕でオゴケのことであり、もともと写真のように曲げ物であったが、色々な用途があり便利なために杉材の狭い板をなど組んで竹のタガでしめて、いわゆる桶〔おけ〕を作るようになったといわれている〕 
 オゴケは丸く入口が大きいので上から順番に入れていくことにより糸がもつれることを避けることができた。また、オゴケの中の糸は一度巻き取ってから、糸車にかけて縒りをかけ糸巻きに巻いて完成する。
 石黒では、績んだ糸〔カセと呼んだ〕で売る家もあったが縮布にしての出荷も盛んであった。
参考資料集荷の古文書
資料→越佐の古文書
補説資料→苧桶
補説資料→350