1升マス

 マスには、1斗マス、5合マス1合マスなどあったが、昔から最も頻繁に使われたのは1升マスであろう。
 当時、豆腐や麹の代価は、大豆や米で支払われることが普通であった。つまり、村の豆腐屋に豆腐を買いに行くときには大豆を枡で計って持参した。
 昭和30年代には、行商、主に荒浜から来る魚行商や長野からくるリンゴ行商などは、ほとんど米との物々交換が行われたが、それらは1升単位で行われることが多かった。
 また、家庭の炊飯は大抵の家が7〜10人ほどの大家族であったから一升マスで計量して炊いた。
 上の下写真の刻印については民具補説→斗マスをご覧いただきたい。
 また、江戸時代においても秤改めは幕府の直轄事業として厳重に行われたことを下記の古文書から知ることができる。
 ちなみに、昔の祝言の席で一升マスを持って踊る人を見たことがある。一生(一升)家がマスマス繁盛することを祈願する踊りであったであろう。

石黒の古文書−秤御改員数書上帳
※一升枡の忘れがたい思い出