丑の一年季に売渡申す槇木証文の事  用語の手引
   










槇木→真木
※真木はヒノキや杉の名前の外に焚き木の意味もあるがここでは、その代価からみて前者であろう。

名所





元里→元利


宝暦6年



 
   丑の一年季に売渡申す槇木証文の事
一 槇木五本  名所 荒屋敷跡上
   この代元銭一貫二百吾十文也
 右は当子御年貢金に引き詰まり申しに付き拙者所持仕り候
 槇木五本かくの如く丑の一年季子に売渡し只今慥かに
 受取当子御上納仕り候處紛れなく御座候この槇木につき
 いずかたより構い少しも御座なく候 若し脇より何かと申す者
 御座候はば拙者いずかた迄も罷り出で屹度埒明け申すべく候
 相定めの通り丑の暮れ中右の代銭元利共返済
 申すべく候 この槇木相違なくお返し下さるべく候 若しその節
 代銭埒明け申さず候はば重ねて流れ証文に及ばず此の証文をもって
 来年なりとも貴殿御入用の節迄立置き入用次第に
 お伐り取りなさるべく候 斯様売渡申し上げ候はば その節少しも□
 申し分御座なく候 後日の為槇木売渡証文依ってくだんのごとし
  宝暦六年子十二月 山中村
            槇木売主 与五右衛門
            請け人   喜八
            同断   傳衛門
        石塚徳兵衛殿 
読み下し・用語の手引文責 大橋寿一郎