頼母子取極儀定帳 (大橋一成家文書)  用語の手引き
   
  儀定帳

頼母子講


発起人→各頼母子講には必ず1人若しくは数人の発起人あり之を親又は親方と呼ぶこともある。 
  
 嘉永二丑年五月十五日

  頼母子取極儀定帳
         発起人 
           曾平治


    頼母子取極め儀定
 私義、身上向き追々不昌(如?)意に罷りなり迷
 惑仕り候に付き、拠無く、今般各々様へ御無心
 申し上げ、金三分懸けの頼母子講(を)発
   
   ※連中→講を組織す其の組合員を講衆叉は衆中のことであろう。

→発起人、あるいは数人の講員の身元保証人のような存在であろう


籤金→当選叉は落札 したる金銭(取足)を指す


積金→毎会特定の金あるいは穀を納める義務あり、これを指すものと思われる


茶代→講会ごとの雑費。講の構成員の親睦を図ることも相互信頼を確かなものにするために大事であったであろう。茶代とはいえ酒肴も出たようだ。


1両→4分・1分→4朱
永250文=1分
永1貫文=小判1両

で計算すると以後記載と一致する。
 
 仕り度、何卒格別の御自愛をもって御加
 入罷り成下されたく願い上げ奉り候、これにより御連中
 様ご相談の上取極め左のとおり
 一、総人数四十五人


 此の寄せ金、三十三両三分也 但し 一人前 
     内            金三分宛て
    金 二十一両也  親十一人
  〃 十一両三分也 籤金
  〃 一両也    積み金
 〆て        茶代           
 

一会→1会目の集まり→1回に同じ。1番講


見立て


積金



※前籤→くじ引き・抽選



「籤金の内にて元利受取申すべく」→籤金と利息を受け取ったものであろうか




 
一 親十一人、三人当ての連れ子いたし初講の
 義は発起人曾平治へ無籤にて取らせ申すべき事
一 二番講より十会の間、前籤にいたし
 積み金年中一割の利息にて籤あたりの
 方へ相渡し籤金の内にて元利受取申すべき事
一 積み金十会の間、講ごと、落籤の方へ元利
 返済連中評議の上見立てをもって相頼み

 利息年中七分の積りもって講より講まで相回し
 講毎利息取り立て現金に直し預かり置き十二会目
 寅秋まで積み金元利、元(もと-基)永百四十四貫九
 百六十文程に相成り候内、宿入り金十両並びに茶
 代一両相渡し、残り永百三十三貫九百六
 十文程の分預かりし御方より利息講毎金
 四両一分出金、外親十一人より金八両一分
 
 ※講行→こうぎょう→講の運営


入札→講員は各自、その時の状況を考えた上で、落札するために既定の総額以下の金額を書き込んで入札する。
 そして、最も低い金額を書き込んだ人が、その回で金額を借りることができる。
 同時に、その入札で落札した金額がその月の全講員合わせた積み立て総額となる。
 いわば、その月の落札額が所定の集められる金額の総計より2割少なければ、講員1人当たりのその回で納める掛金も2割低くなるという仕組み。
しかし、落札者は所定の掛金総額(つまり落札金額の2割増)を払い込まなければならない。

※基本的には、上記の内容の儀定であろうが、本古文書を、筆者には正しく読み取り意訳する読解力は今のところこはない。頼母子講そのものについての学習も必要である。
今後、学習を重ね再度。読解に挑戦したい。
 
  返金合わせ、金十二両二分、調達内金一両茶
  代、残金十一両二分連れ子入札いたし入
  札金少なき方へ取り残し金としてこれある節は連れ子
  半分花(?)割りにいたし残り半分積み金いたし
  講会縮め候様仕るべき事。
一 連れ子三十四人は十一会の間、金三分宛て春
  秋両度懸け金仕り、十二会目より掛金出し、籤
  金取り込み仕るべき事
一 親十一人は満講まで一会に金三分宛て一ケ年に
  二分宛て返金仕るべき事
一 親十一人、籤金受取証文の義は両人待ち
  高引き当てをいたし連れ子受け印仕り置き、万一
  親返金滞り候わば、引き当て方連れ子へ
  は連れ子より返金仕り、講行差支え相成らぬ
   満講→まんこう→講が終了すること。
 
  様仕るべき事
一 十二会目より連れ子籤金十一両二分とし
  て入れ札仕るべく候、勿論入れ札の義は連れ子
  一統入れ札いたし落ち札の組は相除き残り
  組にて入れ札致し十一組入れ札相添(済?)み候はば、猶
  又右に準じ入れ札仕り満講までに一組一本
  宛て相残り申すべくこと。

一 入札仕らず者、一組に一人づつ相成り候はば積み金
  預かりの御方より一会出金いたし満講と
  仕るべく極めのこと
一 積み金預かり証文の義は、連中惣代として
  発起人曾平治並びに宿引受人へ取り置き
  申すべく候、親十一人、籤金受取証文の義
  もこれ又右同様に仕るべく候、尤も満講の
  小池村





違作


宿入金→宿引受人に支払う金銭のことであろむう・
 
  節は銘々へ相返すべき事
一 宿入金の儀は初講に十一両三歩十
  二会目に十両、満講に金十二両、三度に
  相渡し申すべき事
一 講会の義はたとえ違作の年柄にても
  休講致すまじく候、万一差支え候節は宿
  引受人方にて兼行仕り、いささか差支えこれ無き様
  仕り候、尤も毎年五月十月両度講行
  仕るべく事
  右の通り、連中一統相談の上取極め申す
  所、よって件のごとし
             小池村
   嘉永二丑五月     発起人
                曾平治
              宿引受人
                米右衛門
              右同断
                庄左衛門
              〆て   
  寺田


浦田


儀明


蓬平



干ケ峠→不明


○諏訪峠→小池村


○石畑→小池村

  寺田         寺田
 親 三左衛門     親 甚左衛門
   米右衛門     小池
 二分口        二分口 重太郎
   武左衛門     寺田
 一分口        一分口 甚左衛門
   三左衛門     蓬平
 二分口 石畑     二分口 仙右衛門
   市郎衛門     諏訪峠
 一分口 寺田     一分口 重次郎
   仁左衛門   
  〆て
 寺田         □ケ峠
 親          二分口 惣右衛門
 一分ニ朱 庄助    石畑ケ
 右同断  丈八    一分口 市郎兵衛
 右同断        〆て
 二朱口  庄助    儀明
 浦田         親 安兵衛
 二分口 竹二郎    々(儀明)安右衛門
 寺田         〃   同人
 二朱口 安左衛門   二分口   同人
 儀明
 二分口 五助    
 宿
 〃(儀明)
 一分口 曾平治    一分口 安兵衛
  莇平



木和田原村


中野



尾神


仙納


○小貫村→小池村


蒲生


 浦田         小貫村
二分口 源右衛門   親  徳右衛門
寺田         莇平
一分口 久助     二分口 喜右衛門
〆て         蒲生 佐二右衛門
木和田原村      一分口
親   源右衛門   柏崎  嘉兵衛
中野  藤四郎    落合
 同人        二分口 太郎左衛門 
 同人        宿
           一分口 曾平時
 〆て        〆て
諏訪峠        諏訪峠
親  孫左衛門    親 七郎左衛門
   吉五郎     仙納 
尾神         一口二朱 助左衛門
二分口 惣吉     大平
 小〆 徳右衛門   一分ニ朱 三郎左衛門
一分口        柏崎 
寺田  庄助     二分  長右衛門
〃          峠
孫左衛門       一分 文左衛門
〆て         名平村 清助
            〆て 
   田麦


 仙納          宿
 親   角右衛門    親 曾平治
 田麦村         村 善二郎
 〃   七郎左衛門   村 
 仙納          二分口 弥左衛門
 半人 角左衛門     一分口 松泉寺
 田麦          寺田 庄左衛門
 右同断         〆て
 七郎左衛門
 〆て

            莇平
            親   幸七
            寺田  米右衛門 
            莇平  幸七
            々   重左衛門
            宿 惣平治
            〆て 
読み下し・用語解説文責 大橋寿一郎