相渡し申す書付  (矢沢繁徳家文書) 用語の手引き 
  文政


抱持  



百束刈


塾談


違変

 
 
    相渡し申す書付
一 柏崎町、岩下与兵衛当村へ抱え持ち地
 高二斗五升、場所北田七十束刈り南田
 三十束刈り〆て稲刈り百束の義、去々
 丑年、貴殿へ御譲請けなされ候所、右は
 前々より我ら小作に付きこの度双方
 塾談の上、私方へ貴殿より譲り受け申し候
 然る上は、これ以後、私勝手をもって売り
 捌き候節は、右両所稲刈り百束の
 分は、代金五両をもって貴殿へ譲り
 渡す申すべく候、その節少しも違変致すまじく候
 念の為極め書くだんの如し。
            石黒村
   文政ニ卯年五月       寄合
                  定右衛門
      当村
       市左衛門
 右の通り、相違これ無き候に付き加印致し候 以上
        庄屋長四郎
   
   
取り替わせ内熟申し証文の事   (矢沢繁徳家文書)   
   内熟→辞書には見当たらないが「内済」とと同意味ではなかろうか。(当事者間で話し合い解決すること) 


 山論


 異見


 塾談内済


 上風はり・下風はり・横まくり(入会地地名)


見立


山苧

  取り替わせ内熟申す証文の事
 この度、門出寄合村、石黒寄合村百姓共
 山論これあり仕り候得共両村役前の上にて
 段々、取り糺し双方へ異見を差し加え塾談
 内済仕り候に付き、念の為取り替わされ相遣わし候條
一 上風はり、下風はり、横まくり、上屋敷
 下屋敷右五ケ所、古来の通り入会に
 向後も双方支配仕るべく候、尤も荒地
 罷り成り候も新田見立て候はば先づ(※?先主か)聞き合い
       切り開き致すべく候事
一 入会地面へ成物木、杉の木雑木などに
 至るまで植え置き申さず定めの事
一 御田地堀添えなど決して相成らず、もし拠無く
 新田など見立て候はば双方対談の上両村
 役前へその筋指図受け致すべき候事
一 山苧畑、定め卸し(?)境の義は大沢通り
   役前


→ここでは論争の意味であろう。


熟得内済→塾談内済と同じ意味。
  双方役前の上、立ち合いをもって往古の
     通り取極め申す事
 右ケ條の趣取り扱いにて双方合
 意仕り候上は、その筋決して論仕る間敷候
 これにより熟得内済取り替わせし証文
          依ってくだんの如し
 文久元辛元年 門出村枝寄合村
 酉八月        百姓 久兵衛
            同断 長助
               林右衛門
       門出村 百姓代
               仁右衛門
            組頭 助治右衛門
            庄屋 惣左衛門
   石黒村 
     役人所
       長百姓中 
   
 読み下し文責 大橋寿一郎