ウワミズザクラ
暮らしとの関わり
 石黒では普通に見られ、「アンニンゴ」と呼んだ。
 開花期には、一面にブラシ状の変った形の花をつけて人目を引く。 

 赤い果実も目だつが、実がまばらなにしかつかないものが石黒では圧倒的に多い。だが時には実なりのよい木に出会う。下写真の松沢川と石黒川の合流点近くの堰堤の上にあるウワミズザクラも珍しく実なりのよい木の1本である。
 また、材質が堅いため昔から石黒では鉈や鎌の柄に利用された。若木は昔は、茅葺きの用材のナルにも使われたという。

 つぼみの花穂を塩漬けにして食べる習慣はふるさと石黒には伝わっていない。
 今日(2018.5.13)、石黒の生家跡に畑仕事に訪れた。あいにく朝から小雨模様の天気となったが、予定した作業は無事終えることができた。昼食後に一休みするために山小屋の二階に上がって北側の窓を開けるとウワミズザクラの花が目前に現れ驚いた。裏のブナ林の縁の木は3年目ごとに切ることしていたが、昨年はその作業を怠った。そのことがこの木に開花のチャンスを与えたいう訳である。伐採は芽吹き前に行うのでウワミズザクラがそこにあることも知らなかった。なにか、思わぬところで思わぬ人と出会ったような気がした。→窓先のウワミズザクラ

→果実の写真
→満開のウワミズザクラの花


(上写真2005.5.19寄合 右下2005.8.29落合)


 ヤマザクラ(左)とウワミズザクラ(右)の樹皮の比較

写真2016.5.2茨目

             芽吹きの頃

撮影日212.4.16下石黒

             若葉の頃

撮影日2009.4.14下石黒

        ツボミの頃(山菜適期)

撮影日2009.5.18落合

             つぼみの頃-2
撮影日2012.5.5落合

              満開の頃

撮影日2007.5.10落合

         川辺のウワミズザクラ

撮影日2009.5.8寄合

         実をつけたウワミズザクラ

撮影日2007.7.25寄合石黒川堰堤土手

        たわわについた果実
写真2015.7.2茨目

               紅葉
写真2008.11.13大野

 晩秋に目立つ脱落枝 (ごく一部の成長枝は残る)
写真2012.11.5下石黒

   脱落枝(左-基部脇に冬芽)と成長枝

写真2012.11.5下石黒

       脱落枝(落下前の葉のついた脱落枝)
写真2012.11.5下石黒

解 説
バラ科
 北海道から九州に分布する落葉高木
 日当たりがよくやや水分の多い場所を好む。
 樹皮は横の皮目もあり桜に似る。
〔下写真〕枝上の小枝は落葉後に自然に落下するという珍しい特性がある。(下写真)
 葉の長さは6〜9p、幅は3〜5p。柄があり互生し楕円形。先端は急に細くなり尾状にとがる
(下写真)
 花期は4〜5月。葉が開いた後にブラシ状の白い花をつける。花冠の長さ10p、幅2p。花は花弁が5個、雄しべは30本前後で花弁より長く目立つ
(下写真)。 
 果実は径6〜7oで黄赤色から熟すと黒くなる。
 名前の由来は、昔、亀甲で占うときにこの材の上面に溝を掘って使ったため上溝桜(ウワミゾザクラ)と呼びこれが訛ったもの。



 ウワミズザクラの幹の皮目

撮影日2005.6.23下石黒

       葉の形

撮影日2009.5.9下石黒

       花の形

撮影日2009.5.9下石黒

      つぼみの頃

撮影日2009.4.26下石黒

      満開の頃

撮影日2007.5.10落合

     花から果実へ

撮影日2007.6.27下石黒

  ウワミズザクラの青実

撮影日2007.6.27下石黒

     赤く熟した実
撮影日2009.8.6下石黒

    完熟した黒い実

撮影日2005.7.29下石黒

      果実と種子

撮影日2010.7.27下石黒

      落枝の跡

 こぶ状に枝に残る落枝跡
写真2012.11.5下石黒