ウラジロガシ
暮らしとの関わり
 石黒では出会ったことはない。市街地周辺では所々でみられる。ウラジロガシは、本州では新潟県は北限で、暖地に生える木であるため石黒には自生できないのであろう。
 市街地の寺社境内などでは径70pほどの大木にであうことは珍しくはないが、一昨日(2014.2.1)に鯨波で自生と想われる径50pほどの大木に出会った。だが、ここもかつては屋敷内であり植栽されたものであるかもしれない。
 大木になるとケヤキのように枝を広げて伸ばし樹形は良い。
 今春は、開花を観察し、秋には堅果を撮影したいと思っている。今日〔2014.9.2〕、若葉町で堅果の幼果を確認できた。
 今日(2016.3.29)、上輪の胞姫神社のシロダモの原生林を見に出かけた。その中に直径1m近いウラジロガシの巨木があった。→下写真
 市街地では、時々ウラジロガシの垣根に出会うが、この木が好んで垣根に使われた理由の一つにウラジロガシの「かし−貸し」から縁起を担いだものと聞いたことある。また、赤味を帯びた若葉の色にも味わいがあるものだ。

〔写真2014.2.1鯨波〕


                葉の形

写真2014.2.1鯨波


             葉の表裏と搗き方

写真2014.2.1鯨波


                大木
写真2016.3.29上輪

     ウラジロガシの葉裏にしばしば見られる黒点
  左の写真のように、葉の裏側に、細かな黒点が見られるものが多いが、オトギリソウなどの油点とは異なり、一種の病斑のようなものではなかろうか。詳しい方の御指導を仰ぎたい。 
写真2016.3.29上輪


解 説
ブナ科
 本州中部(宮城・新潟)以南の山地や海岸に生える常緑高木雌雄同株
 幹の高さは20m、径は1mほどになる。幹の色は灰黒色で滑らか。
 葉は互生披針形あるいは長楕円形披針形〔左写真〕。基部は鈍形で先端は尾状に尖る〔左写真〕
 葉身の長さは9〜15p、幅2.5〜4p。上部には鋭い鋸歯がある〔左写真〕。葉の質はやや薄い皮質で表面につやがあり裏面はロウ質を分泌し粉白色を帯びている〔左写真〕。葉柄の長さは1〜2pほど。
 花期は4〜5月。雌花序は新枝上部の葉のつけ根に穂状に出る。長さ約1cmで、3〜4個の雌花をつける。雌花は総苞につつまれ花柱は3個。
 雄花序は長さ約6cmで、新枝下部から数個たれ下がる。ガク片が3〜4個、雄しべ4〜6個がある。
 堅果は晩秋に熟し広楕円形で濃褐色。穀斗は灰褐色で椀状外面の横輪がある〔下写真〕
 名前の由来は葉の裏が白いことによる。



        樹皮-1

写真2014.9.2若葉町
       樹皮-2
写真2015.2.22茨目

        冬芽写真2014.2.3田塚

    未熟の果実〔堅果〕


写真2014.9.2若葉町