ツルシキミ(石黒には自生しない)
暮らしとの関わり
 石黒では出会ったことのない樹木である。もともと、東北中部以西の日本海側の多雪地帯の林床に自生するとされているので、石黒にも自生していてもおかしくない樹木と思われるが出会ったことはない。
 HPhttp://www.wildplants.sakura.ne.jp/index.htm 野生植物図鑑には「ユキツバキと同じく多雪地に適応したものなのか、本州の日本海側が主な生育地で・・」とある。
「新潟県樹木図鑑」にも、自生地、「深山のブナ林」とあるので、黒姫の石黒に隣接した山地にもみられるのではないかと思う。今後留意して観察したい。
 下の写真の個体は畔屋集落の小高い山道沿いで出会ったものである。柏崎市街地周辺でも稀に見られる植物といってよいであろう。
 今年(2013)は、赤く熟した果実を撮影したい。
 今日(2013.10.18)は、ツルシキミの赤く熟した果実を採るために畔屋に出かけた。幸い、赤い果実に出会うことができたが、ちょっと、疑問に思ったことは、周りに蕾らしいものをつけたツルシキミが沢山あったことだ。どうやら、つぼみの形成は既に秋に行われるらしい。
 しかし、牧野植物図鑑をはじめ数種の図鑑を調べたがそのことについての記述はない。たしかに、下の「つぼみ期」の写真をみると4月半ばに早くもこのようなつぼみが見られることは前年の秋にすでに形成されていたものと想われる。詳しい方のご指導を仰ぎたい。

〔写真2009.4.19 畔屋 右上果実2009.6.1畔屋〕


          葉にみられる油点

写真2013.10.18 畔屋

            つぼみ期

写真2009.4.19 畔屋

写真2015.2.5畔屋

          花(雄花)の拡大

写真2009.4.19 畔屋


               果実期
写真2013.10.18 畔屋

      地面を這いところどころで根を下ろす幹
写真2013.10.18 畔屋
解 説
ミカン科
 本州と北海道の日本側を中心に分布し、九州、四国の山地にもまれにみられる。ミヤマシキミの変種で落葉広葉樹林に生える。雌雄異株
 幹の下部は地面をはい、所々に根をおろし、斜上して高さ30〜60p。時には1mにも達する。
 葉は枝の上方に集まって互生し形は長楕円形で、長さ4〜6p、幅1〜2.5p。鋸歯はないが、葉の先端部に低い鋸歯らしきものが見られる。長さ1p以下の柄をもつ。
 花期は4〜5月。枝先に散房状円錐花序をつける。 ガク片は4〜5個。花弁は4個で白色、形は長楕円形で長さ約4o、まばらに油点がある。
 雄花では雌しべ4個、雌しべ1個(左写真)
 果実は液質で熟すと赤色となり美しい。
 ミヤマシキミとの区別は幹が地をはうことと葉が小さいことでできる。
 名前の由来は幹が蔓のように地面をはい枝葉の様子がシキミに似ることによる。シキミは、実が有毒なので「悪しき実」の意味。



    完熟直前の果実

 写真2013.10.18 畔屋


   互生し集まってつく葉
写真2009.6.1畔屋
 写真2013.10.18 畔屋  
 
       互生する葉

写真2015.2.5畔屋

    葉の先端の低い鋸歯
   写真2009.6.1畔屋

    秋に出来ている蕾
  写真2013.10.18 畔屋

        種子

写真2013.10.18 畔屋