トウカエデ | |
暮らしとの関わり トウカエデは石黒では植栽されていない。市街地でも極めてまれにしか見かけない。石黒に多く見られるウリハダカエデは葉の形こそ似ているが外見は大いに異なる。 思うに、筆者にとってはトウカエデはよく知っているようでほとんど知らない植物の一つである。じっくりと観察したことは一度もないからだ。 近頃は、樹木については植栽種にも興味を持っているのだがトウカエデにはなかなか出会うことがない。 だが今(2014)から半世紀近く以前に勤務した夏戸小学校の宿直室の脇の庭にトウカエデの2mほどの小木が一本植えられていた。 廊下からもすぐ近くに見える位置にあったので8年間毎日目にしていたことになるが、ただ「涼しげな木」という記憶しかなかった。暑い夏の頃に目に焼き付いた印象であろう。 先日(2014.9.29)に枇杷島の鵜川神社境内でトウカエデ(下写真)に出会ったときに、まず脳裏に浮かんだのは、この夏戸校の裏庭のトウカエデであった。 また、昨日(2014.10.11)は、畔屋の山に撮影に出かけた帰り道の平井集落で巨大なトウカエデ(上写真)の庭木に出会った。家人に断わって庭に入れてもらい撮影した。 来春は、芽吹きから花期の観察を是非忘れずにやってみたいと思っている。 今、ようやくトウカエデのページを作成して、昔から知っていながら話を交わしたことのない人と初めて対話ができたような満足感を得た。 写真2014.10.11平井 9月のトウカエデ 写真2014.9.29枇杷島 青葉 写真2014.9.29枇杷島 紅葉の始まった高枝 写真2014.10.11平井 |
解 説 カエデ科 中国原産で江戸時代に渡来した落葉高木。街路樹や庭木として植栽されている。稀には野生化したものも見られる。 樹皮は灰褐色で縦にはがれる。 高さは15mに達するものもある。 葉は対生し浅く3裂し基部は心臓形。表面は濃緑色で光沢がある。裏面は白色を帯びる。葉柄は長く葉とほぼ同じ長さで毛はない。秋には紅葉して美しい。 若木の葉は成熟した木の葉とは異なり3中裂し裂片は広披針形で先が鋭く尖り縁には鋸歯がある。 花期は4〜5月。散房状の目だたない色の花を開く。花は淡黄色で、ガク片が5個、花弁5個、雄しべ8本。両性花と雄花が雑居。 果実は翼果で平行または鋭角に開き秋に結実する。翼の長さは1.5〜2pほど。 別名は「サンカクカエデ」 名前の由来は唐楓で中国からの渡来に依るもの。 長い葉柄 写真2014.9.29枇杷島 葉の表裏 写真2014.9.29枇杷島 紅葉 写真2014.10.11平井 冬芽 写真2015.1.26平井 |