トネリコ(サトトネリコ)
暮らしとの関わり
 トネリコは石黒では少ない木の一つである。方言では「タモギノキ」と呼んだ。集落によっては「タモノキ」と呼ぶところもある。
 昔は、鎌や鍬の柄をこの木を使って作った。また、昭和30年代に野球のバットの用材にするため山師が入り大量を買い付けたことがあったという。
 昭和30年代に石黒でもハサ木として植えた人もあったが、ようやくハサ木として用をなすほどに成長したころにはコンバインによる生稲脱穀の時代となり、ハサ木は無用となってしまった。

 市街地周辺では枝にイボタロウムシがついたトネリコを稀に見かける。

(上写真2005.7.3 右上2005.5.3 右下2005.7.3寄合)


               葉の形

写真2005.7.3寄合

       イボタロウムシのついたトネリコ

写真2009.10.15西中通

解 説
モクセイ科
 本州中部以北の山地に自生する落葉高木。稲架木(ハザキ)として植えられることもあった。別名タモノキ。高さ15m、直径60pにも達する。
 葉は対生し、奇数羽状複葉で小葉5〜9枚、小葉の長さは5〜15p。
(左下写真)雌雄異株。
 花は淡黄色の白色で極めて小型で円錐形の花穂に細々とつく。雄花はおしべ2個、雌花はおしべ1個。
 果実は翼果で狭い翼がつき長さ3〜4p
(上写真)。10月ごろに熟しガクが残っている。(参照画像クリック)
 トネリコは日本でも平安時代から古書に書き残された木であるが北欧神話の中でも重要な役割を与えられた木といわれる




    葉の縁の低い鋸歯
写真2005.7.3寄合

      残存ガク

写真2005.7.3寄合