テマリバナ
暮らしとの関わり
 テマリバナは、限界集落と化した石黒では、すでに原野に返った屋敷跡にたくましく生き延び春には今も美しい花を咲かせている姿をしばしば見かける。
 筆者が子供のころの石黒では、「テンマリバナ」と呼ばれ、よく家の小路に植えられていたものだ。
 隣組であった屋号「よしぐい」の家の庭の入口に植えられいたテマリバナの花が今も鮮やかなイメージとして蘇える。それは、豪華なうちに清楚さを秘めた忘れがたい美しさをもっていた。
 こうして、遠い子ども時代〔1945年頃〕、故郷の村道で大勢の仲間と遊んだ記憶の糸を手繰り寄せるとき、その原風景を彩る花の一つが、このテマリバナである。

写真2005.5.25下石黒


      家の周囲に植えられたテマリバナ
写真2010.6.3大野

                花期
写真2011.6.10下石黒
解 説
スイカズラ科
 観賞用の園芸種で庭園に栽培される落葉低木
 本州中部には稀に野生種があるといわれる。
 高さ3mほど。葉には柄があり対生し厚みがあり毛がある。
 初夏にガクアジサイに似た装飾花を球状につけ美しい。
 名前の由来は花の形が手まりに似ることによる。別名オオデマリ。



  よく花をつけたテマリバナ
写真2007.6.2寄合


写真2017.5.23大野