オオバイボタ
暮らしとの関わり
 石黒では、ミヤマイボタは稀に見かけるが、オオバイボタは自生していない。柏崎市街地周辺では時々みかけるがその多くは海への排水路脇などであるので植栽されたものであるかも知れない。
 上の写真は藤元町で撮った。石黒で出会ったミヤマイボタに似ているためにとくに興味を持って撮影した。
 ミヤマイボタに比べて葉は厚く光沢がある。花冠は似ているが2本の雄しべが逆ハの字に開く、などに違いがあるように見られるがどうであろうか。
 また、藤元町で撮った個体は葉は対生するが両方の葉柄の位置が若干ずれている互生に近いものも多く見られた。対生と互生二つに分けるならこれくらいのずれは問題とすべきことではないのであろうか。あるいは、変異と見るべきか。
 今日〔2014.9.4〕数日ぶりに訪れてみると幹が白いもので包まれているのが目に入った。「イボタロウムシ」だと直感した。近づいてみると、粒あんのような雌の成虫と1mmほどの翅をもった雄の成虫が確認された。久しぶりのイボタロウムシとの出会いに恵まれ幸運であった。

〔写真2007.10.2 落合〕


             芽吹きの頃


写真2015.4.17藤元町

               開花直前
写真2018.6.5藤元町


                 花期
写真2014.6.17藤元町

                 花序

写真2014.6.17藤元町

             対生する葉
写真2014.6.17藤元町

                果実期へ
写真2014.8.17藤本町

              枝の様子
写真2014.6.17藤元町

                 イボタロウムシ

写真2014.9.4藤元町

              昨年より増えたイボタロウムシ
写真2016.7.5柳田町

           イボタロウムシ雄の成虫
写真2014.9.9藤元町

      イボタロウムシにより弱って葉も見られない枝

写真2017.6.22 藤元町


解 説
モクセイ科
 本州の関東以西、四国、九州
に自生。とくに海岸近くの低山に多くみられる。冬はほとんど葉が落ちる。
 庭木や生垣として植えられることもある。
 幹は灰褐色で、高さ1〜3mで幹は直立しよく分枝する。
 葉は短い柄があり対生し、広卵形〜倒卵形で全縁、長さ4〜10p、幅2〜5pで葉の質は厚く光沢がある。主脈が葉裏に盛り上がる〔下写真〕。形の変異が多い。
 花期は5〜6月。枝の先端に長さ10p内外の円錐花序を出し、白色の小さな花を咲かす。ガクは薄緑色で短い筒状をなし4歯がある。花冠も筒状で上部は4裂し開く。雄しべは2本では長さ2.5mmで花糸は短く花冠の外に長く突き出さない。雌しべは1本。
 果実は球形〜楕円形で紫黒色に熟し長さは8mm。種子は長さ6〜9mmでしわがある。
 名前の由来は葉が大きい事に因る。



   葉脈が葉裏に盛り上がる

写真2014.6.17藤元町
      筒状のガク
写真2014.6.17藤元町

   互生に近い葉も見られる
写真2014.6.17藤元町

     イボタロウムシ

写真2014.9.4藤元町

     雄と雌の成虫
写真2014.9.4藤元町

        雌の成虫
写真2016.7.5柳田町

        果実
写真2014.9.4藤元町

     熟した果実
写真2015.12.30藤元町

         冬芽
写真2015.1.16藤元町