オオバボダイジュ
暮らしとの関わり
 オオバボダイジュは石黒では「アオシナ」とか「オオシナノキ」呼ばれていた。
 シナノキと同様昔から樹皮が利用されてきたが質が若干劣るとのことである。木材としては軟らかで加工しやすいが割れやすく耐久性、保存性に欠けるといわれた。
 シナノキとの区別は花柄の付け根にある苞葉〔上右写真〕に柄がないことと、葉の裏に毛が密生するとことによる。
 また、菩提〔ぼだい〕とは仏道のことであり釈迦が菩提樹の下で悟りを開いた伝えられるが、その木〔インドボダイジュ→右下写真〕はオオバボダイジュとは全くの別種のインドボダイジュ(左下写真)である。たまたま、葉の形が似ていたので日本の寺院にオオバボダイジュが植えられ同じ名前で呼ばれるようになったのであろう。
 オオバボダイジュの春の若葉は美しい。〔下写真〕

(写真上2005.9.24上石黒  右2005.7.3寄合)

資料→シナノキの皮むきについて


        オオバボダイジュの若葉

写真2011.5.17 下石黒釜淵付近

写真2005.5.8 上石黒

写真2011.5.22 下石黒

       花期(吸蜜するヒョウモン蝶)

写真2007.7.13 下石黒

   オオバボダイジュの成熟葉

撮影日2005.7.29落合

        果実期の舌状の苞葉

 撮影日2013.8.41下石黒

                果実期
 撮影日2018.9.20下石黒

             秋の紅葉

撮影日2008.10.21下石黒

              果実〔核果〕


撮影日2009.10.31下石黒

解 説
シナノキ科
 東北地方から北海道にかけて自生する落葉高木
 高さ20mにも達し樹皮は灰朱褐色。若枝には毛が密生する。
 葉は、互生し柄があり大形で長さ10〜15p、幅8〜12pほどの円形で先が急にとがる。葉の基部は多少斜めにゆがんだ心臓形、あるいは切り形、葉の縁には大きな鋸歯がある。裏面には細かい毛が密生しているために白色がかってみえる(下写真)。まれに、この毛がなくて裏面も緑色のものがあるがモイワボダイジュという。
 花期は6〜7月。花は長い柄をもった房状の花序で葉のつけ根につき、下向きで狭い舌状の包葉がある(左下写真)。
 小花は淡黄色で香りがあり、ガク片、花弁ともに5個、多数の雄しべと退化雄しべ5個、雌しべ1個をもつ。
 果実〔核果〕はやや球形で5があり褐色の毛を密生する。
 釈迦が悟りを開いた時の伝説に出てくる菩提樹は別種(クワ科)。
 名前の由来は菩提樹に葉の形が似ていて大形であることによる。




      芽吹き前

撮影日2011.4.21上石黒

    毛の密集した若葉

撮影日2011.4.21寄合

 オオバボダイジュの葉の裏表

撮影日2006.7.9上石黒

     花序の出始め

撮影日2012.5.5上石黒

         

撮影日2006.7.9上石黒

     苞葉の付け根
撮影日2013.8.41下石黒

     青いころの果実

撮影日2013.8.41下石黒


       果実期
撮影日2018.9.20下石黒

  樹皮(上は若木〜老木)



写真2007.5.18 下石黒

   インドボダイジュの葉
2006.12 筆者家族が押し葉にしてインドより持ち帰ったもの