ミヤマホウソ〔ミヤマハハソ〕
暮らしとの関わり
 石黒では、たまにしか見かけない木の一つである。ブナ林の縁などで見かけることが多い。個体が少ないこともあるが、低木で、のめったような樹形であることも目立たない原因の一つであろう。葉がコナラに似ていることが名前の由来といわれるが、実際にはそれほど似ていないように見える。
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 黒く熟した果実はクマの好物といわれる。試しに食べてみたが筆者には美味しいとは思われなかった。
 全国的には、普通に見られる樹木のようであるが柏崎、刈羽では珍しい木のひとつなのであろう。「栃尾の植物」によれば栃尾市でも「だだ一個所確認しただけ」と記されている。
 石黒では、現在〔2014〕まで3箇所〔上石黒、大野、下石黒〕を確認しているが上石黒の個体が最も大株である。大野の個体は一昨年の道路拡張工事で消滅した。しかし、石黒に自生する場所はもっともっと多いであろう。特徴に乏しく目だたない低木のため花序がつかないと目を引かない樹木であるからだ。

〔写真2006.6.14上石黒〕


        つぼみの頃の-葉の様子

写真2015.5.30下石黒

                  花期へ
撮影日2009.6.25上石黒 政栄
               花序
写真2015.7.4下石黒

            ミヤマホウソ青実

写真2007.9.2上石黒

           色づき始めた果実

写真2007.9.2大野

      ミヤマホウソ完熟実(背景はブナ)

写真2007.10.12大野

          晩秋のミヤマホウソ

撮影日 2009.11.13 上石黒 背景は黒姫山

    葉裏の片側支脈の基部に毛の束生が見られる

撮影日 2007.5.30上石黒 ※これについての記述見当たらず

解 説
アワブキ科
 本州、四国、九州の山地に生える落葉低木。沢筋や林縁に多い。高さ3mほどになる。 
 葉は互生し楕円形で先は鋭くとがり基部はくさび形。縁には粗い鋸歯があり〔下写真〕、長さ6〜15cm、幅3〜6cm。両面に毛がある。
 花期は5〜6月で枝先に円錐花序をつけやや垂れ下がる〔左上写真〕。花の淡黄色で直径3〜5mm。ガクは3〜4片。花弁は5個のうち3個は円形で更にその内の2個は鱗片状。完全な雄しべは2本のみである。
 果実(核果)はゆがんだ球形で3〜4mmで黒く熟す。(左・下写真)
 名前の由来は、ホウソはハハソ〔柞〕→コナラの意味で、葉の形がコナラに似ることによる。(下写真)



     ミヤマホウソ葉
撮影日2007.9.2上石黒

    つぼみの頃-1
写真2015.5.30下石黒

     つぼみの頃-2
撮影日2009.6.25上石黒 政栄

      花序と花


撮影日2006.7.15上石黒

    雄しべと雌しべ
写真2015.7.4下石黒

   ミヤマホウソ未熟実

撮影日2007.10.1大野

      完熟果実
撮影日 2009.11.13 上石黒

   ミヤマホウソ果実

撮影日2007.11.12大野

      果実と種子


撮影日 2009.11.13 上石黒