クサボタン〔※木本〕
暮らしとの関わり
 石黒では山道の脇の斜面によく見かける木である。一見草と見えるが茎の下部は木質であり、中には親指の太さのものもある。
 クレマチスの仲間であり、花後も果実〔そう果〕の形が風車のように見え目を引く。
 中学生の頃に、庭に移植しようと根を堀り上げてみて初めて木であることを知った。
 石黒では、よく、クサボタンに白い綿毛のような巣をつくりアブラムシのような昆虫が多く見受けられる。そのためになかなかすっきりとした姿のクサボタンに出会わない。→参考写真
 雌雄異株であり、花は雄花が雌花に比べてやや大きいといわれるが確認したことはない。今秋は注意して観察してみたいがそれは顕著なものではないようなので容易ではないと想われる。

〔写真上・右上2005.9.12.上石黒 右下2005.10.2寄合〕


           春の芽吹き

写真2011.5.18.下石黒

           若葉の頃

写真2015.5.1 上石黒岩屋付近 

              若葉

写真2010.6.15.下石黒

           木質の基部

写真2009.5.17.上石黒

         花拡大
写真2005.9.12.上石黒


      つぼみ、花、雌しべ〔?〕

写真2005.8.25.上石黒

              果実期

写真2011.10.25上石黒

     クサボタンの花とワタムシのコロニー〔巣〕

写真2005.9.3大野

     ウラギンヒョウモンが吸蜜するクサボタン
写真2014.9.17板畑 嶽

               紅葉の頃
写真2011.11.29寄合

解 説
キンポウゲ科
 北海道から本州の山地の明るい斜面に生える雌雄異株の落葉低木。〔冬季に残るの木質化した下部のみ〕
 茎〔幹〕部は高さ約1mで数本の株になることがあり、全体に毛がある。
 葉は対生し長い柄があり硬く上右写真のように1回3出葉で、小葉の長さは4〜10p。しばしば2〜3に分裂し縁には鋸歯がある〔左上写真〕。葉質は堅く葉脈は裏面に隆起している。
 花期は8〜10月、枝先や葉のつけ根に多数の花が集まって下向きにつく。花の形は細い鐘形で花弁はなく、4枚のガク片の先が反り返る。ガク片は4個で長さは1pほど。外面は白色の毛を密生し内面は美しい紫色である〔左写真〕。花弁はない
 雌花は雄花よりやや小さく、雄しべは多数で雌花の雄しべはヤク〔葯〕が小形、花糸はやや扁平で短毛がある。両方に雌しべ雄しべがあるが雄花の雌しべは実らない。
 果実〔そう果〕は卵形で花柱が頂端に宿存していて長さ1.5pほどの羽毛状の長毛がつく〔下写真〕
 全草有毒でとくに汁が皮膚につくと水脹れになるといわれる。
 名前の由来は葉がボタンに似ることによる。



       茎の毛
写真2009.5.17.上石黒

   木部から出た新芽
写真2009.5.17.上石黒

      葉の表裏

写真2009.5.17.上石黒

 ガク片が脱落して果実期へ
写真2011.9.17.下石黒 政栄

   種子の羽状の長毛

コピー画像

    クサボタンワタムシ