クマヤナギ
暮らしとの関わり
 石黒では未だ出会ったことはない。
 上の写真の個体は畔屋の農道わきの林の縁で出会った。数十回もここを通りながら今まで見過ごしていたのは他のつる植物と混生していたことと、ツルウメモドキであるという先入観があったせいであろうか。それにしても、クマヤナギは花期のころに前年の果実が赤く熟すという特異の植物であるので目を引くはずであるが・・・・。
 今回も気が付かなかった。だが、そう思って写真をつぶさに見ると確かに葉の奥の方に赤い実のようなものが写っている。
 近々、もう一度訪れて果実の撮影をしたい。
 今朝〔2014.8.14〕、赤く熟した果実を撮影しようと出かけたが、下部の枝には果実は一つも見当たらない。上部の赤い実も肉眼では全然見えない。のみならず地面に落ちている果実も見当たらない。仕方なく、見当をつけて上部の繁茂している部分の写真を十数枚を撮って帰った。そのうちの一枚が下の赤い果実と思われるものが見られる写真である。→下写真
 今後は、下部の枝の結実を特に注意して観察していきたい。
 今日〔2014.9.1〕に未整理ファイルを調べていると、クマヤナギに出会った。2010年に撮影して未同定としておいたものである。中に黒く完熟した果実の写真もあったので早速掲載した。右下写真

写真 2014.8.4畔屋


               花期

写真 2014.8.4畔屋

         花のつくり〔つぼみは頭頂が尖る〕
写真 2014.8.4畔屋

        昨年ついた果実が赤く熟している
写真2014.8.14畔屋


写真2010.7.8畔屋

解 説
クロウメモドキ科
 北海道から九州の山野に生えるつる性の落葉低木。林の縁に多く見られる。
 茎は他の木などに絡みつきながら時には5mもの高さの傘状の樹形となる。茎、枝は強靭である。
 葉は、柄があり互生し形は卵形から楕円形で全縁。長さは5p内外。裏面はやや白色を帯びる〔上写真〕。側脈は7〜8対、平行で縁に達する。葉柄の基部には茎に托葉が見られる。
 花期は7〜8月。枝先や葉のつけ根から小さな花が集まった円錐花序をつける。
 ガク片は5個、卵状披針形で花弁の様に見える。花弁は小さく5個。花弁は内側に折れ曲がり雄しべを包み、は花弁の上に出る。雄しべは5個、雌しべは1個。〔左写真〕
 果実は楕円形で小豆くらの大きさの楕円形。その年には熟さず翌年の夏に赤色から黒色に熟す。
 熟した果実は甘味があり食べられる。果実の中のは形が小麦の粒と似ている。
 名前の由来は熊柳の意味でその茎が強靭で葉が柳に似ていることによる。



     互生する葉
写真 2014.8.4畔屋

     円錐花序
写真2014.8.14畔屋

     赤く熟した実
写真2010.7.8畔屋

   黒色に完熟した果実
写真2010.7.8畔屋