コマユミ | |||||||
暮らしとの関わり 石黒では「シラミノキ」と呼んだ。方言の由来は不明であるが、花弁の色と形(写真右上)がコロモジラミに似ていることによるものであろうか。方言とはいえ気の毒な呼び名であるが、この方言名は、当時の人々がシラミに悩まされていたことを今に伝えているとも言える。 赤い実がたくさんついたコマユミの木も目を引くが何といっても美しいのは晩秋の鮮やかな紅葉であろう。 子どもの頃、ほとんどの木が落葉した12月の初め、城山の尾根に真っ赤に見えるものがあり、わざわざ訪れてみると一本のコマユミの木であった。 昔は、女の子が赤い実をとってママゴトに使ったものだという。 (写真上2004.12.4下石黒 右上2005.5.21・右下2005.10.28大野) 若葉 撮影日2005.5.6上石黒 葉の裏表の様子
葉と花 撮影日2005.5.8下石黒 果実期 撮影日 写真2005.11.8 寄合 紅葉 写真2008.11.12 大野 落葉後の果実 写真2009.12.12 大野 |
解 説 ニシキギ科 北海道から九州各地の山野に自生している高さ1〜3mの落葉低木。 枝は平滑でしばしば白いスジが見られる(下写真)。ニシキギと似るがコルク質の翼がないことで区別できる。 葉は対生し短い柄をもち倒卵形で長さ2〜7p、幅2〜3p。先端はふつう鋭く尖る。表は緑色、裏面は淡緑色で縁には細かな鋸歯がある〔左下写真〕。 秋には美しく紅葉する。 花期は5月。黄緑色の細かな花を2〜3個つけ、花序は葉より短い〔下写真〕。 4個のガク片は極めて小さく4個ある花弁は円形。4個の雄しべは花盤に立ち花糸は著しく短い。 さく果は秋に橙色に熟し果皮が縦に割れて鮮やかな朱色の種子をぶら下げる。 名前の由来は小形のマユミの意味。 冬芽 撮影日2014.1.14下石黒 花から果実へ 撮影日2011.6.21下石黒 コマユミの未熟な果実 撮影日2005.9.29下石黒 果皮が割れて鮮やかな色の果実 |