イヌザンショウ
暮らしとの関わり
 石黒ではサンショウはいたるところに見られるがイヌザンショウは少ない。イヌザンショウは、サンショウに比べて葉が大きいが香りはよくない。
 上の写真の木は板畑の嶽の桑園跡に生えていたものである。
 もともとイヌザンショウは伐採跡などに生育し、まわりの木が生長すると日陰となり衰えるが、それまでに作った種子を地中で20年以上も眠らせて次のチャンスを待つといわれる。
 石黒で筆者が見た場所は、あと一カ所大野集落近くの元屋敷だけである。
 今日(2016.10.11)に野鳥研究者のH氏と石川峠に出かけたが、思いがけず頂上付近の道端に生えたイヌザンショウと出会った。果実期ですでに完熟して種子が露出していた。

写真上・右上・中2005.7.28板畑 右下2005.9.19板畑


                 果実期-1

写真2016.10.11石川峠

                果実期-2

写真2016.10.11石川峠


解 説
ミカン科
 北海道を除く全土に自生する落葉低木。雌雄異株
 外形はサンショウによく似ているが香りは劣る。(小枝のとげが互生することでも区別できる)
 葉は互生奇数羽状複葉。小葉は13〜21個。小葉の長さ1.5〜3.5p。縁には細かな鋸歯がある。
 花期は7〜8月。枝先に長さ3〜8pの花房をつけ多数の緑色を帯びた小花をつける。ガク片、花弁ともに5個。
 果実は長さ4oでやや球形で先端に短い突起がある
(下写真)。紫紅色に熟し種子は黒色。
 名前の由来はサンショウに似ていて香りが劣ることによる。




         幹のトゲ


        果実
写真2016.10.11石川峠

        果実拡大

写真2016.10.11石川峠