サンショウ | |
暮らしとの関わり 石黒では「サンショ」と呼び、昔から若芽を汁物の吸い口に使ったり天ぷらにしたり、佃煮にしたりして食べた。サンショウの木は、大抵の家の周りに見られたが、その多くは植えたものではなく実生が自然に家の周りに生えたものだった。 筆者の観察の限りでは、実生で育っているものでは雄株の方が多い。 また、すりこぎの用材に適すと言われたが、当時使われていたスリコギボウに適応するほどの太さの木は稀にしか出会うことはなかった。 ちなみに、食糧難の敗戦の頃の子どもたち(筆者等)はサンショウの実にも手を出したが、口の中が痺れ、やたらと唾液がでるのに驚いて二度と口にしなかった。 今日(2018.5.18)、石黒の生家の畑に里芋を植えに出かけた。畑の脇から生家跡への上り道沿いのサンショウの雄花に様々な蜂たちが寄ってきて吸密をしていた。(下写真参照) 〔写真上2005.10.6下石黒 右上2005.5.20上石黒 右下2005.9.25下石黒〕 芽吹き始める 写真2009.4.19下石黒 芽吹きの頃 写真2012.5.20下石黒 花期のサンショウ 写真2006.5.20下石黒 雄花の蜜を吸うミツバチ 写真2018.5.18下石黒 葉の形 写真2010.6.8下石黒 果実期 写真2014.9.23下石黒 果実期 写真2015.9.23下石黒 果実散布期 写真2011.12.2下石黒 秋の黄葉 写真2010.11.17下石黒 |
解 説 ミカン科 北海道から九州までの山地に見られる落葉低木。雌雄異株。よく枝分かれして高さ2〜3m。 葉は互生し、11〜19枚の小葉が羽状につく複葉で(左下写真)長さ5〜15p。特有の芳香がある。葉のつけ根には一対のトゲがある(左下写真)。 花期は4〜5月で葉のつけ根に花穂が付き多数の黄緑色の小花を咲かす。雄花には5本の長いおしべがある。(雄花・雌花→参考画像) 果実は径5mmほどの球形で表面はざらつく。初め緑色であるが秋には赤く熟し(上・下写真)、その後、果皮が裂けてつやのある黒い種子が現れる(下写真)。 サンショウは日本料理、香辛料などに広く利用されてきた。 名前の由来は不明であるが、古名をハジカミ〔椒−ショウ〕ということから山地のハジカミという意味か。 樹皮とトゲ 写真2011.11.2下石黒 葉の基部のトゲ 写真2009.4.19下石黒 雄花 写真2011.5.26下石黒 雄花で吸密をする蜂 写真2018.5.18下石黒 雌花 写真2013.5.24寄合 青実から赤実へ 写真2007.6.13下石黒 写真2010.9.12下石黒 写真2014.9.14下石黒 完熟果実 写真2014.9.23下石黒 種子散布の頃 写真2009.10.22下石黒 果実と種子 写真2010.11.8下石黒 写真2011.12.2下石黒
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