イヌエンジュ
暮らしとの関わり
 石黒では、「エンジュ」と呼び、稀にしか見かけない木の一つである。
 昔から、堅くて、幹の周辺部と中心部の色が異なる特徴を利用して主に床柱に使われてきた。石黒でも、山師による買い付けも行われたという。
 しかし、石黒のような傾斜地に育った木は床柱に使えるものは非常に少なかったということだ。→昔の木の利用
 多くの植物では、イヌがつくと役立たずの意味であるがイヌエンジュの場合は、中国から渡来した槐〔えんじゅ〕に似ているが別の木であるという意味である。
 夏の開花期に、黄白色の花穂をいっせいに立てて咲く様は美しい。〔下写真〕
 一昨日〔2014.6.26〕十年ぶりに、上の写真のイヌエンジュを訪れたが、幹回りはかなり大きくなり枝振りも広がっていた。

(写真上2004.7.15落合 右上2005.6.30板畑 右下2005.8.25板畑)




 写真2017.5.9大野


写真上2014.6.26落合

         花期の遅いのイヌエンジュ

写真2007.8.19大野

解 説
マメ科
 北海道、本州中部以北の山地の林縁や林中に生える落葉高木
 高さ9〜14m、径60pにもなる。
 葉は互生し3〜5対の小葉をもつ奇数羽状複葉で長さ20〜30p。小葉の長さは約6p。
 花期は7〜8月。枝先に蝶形の白い花を多数つける
(上写真)
 果実のサヤは長さは6〜9p、幅8〜10o。
 名前の由来はエンジュに似て非なるものの意味




        若葉

写真2017.5.9大野

       上部枝
写真2007.8.19大野

   軟毛が密生する葉

写真2014.6.26落合

       花序の様子
写真2007.8.19大野