ヒサカキ | |||||||||||||
暮らしとの関わり ヒサカキは石黒では全然見かけないが、市街地の周囲には広範囲にみられる。岡野町には自生していることはわかったが、どの辺まで自生地が広がっているのか調べてみたいと思っている。 筆者は石黒の生家の庭に移植したことがあるが石黒でも十分育つ。 花の発する一種独特の匂いは悪臭と言ってもよく、キンバエ(腐敗物、獣糞、動物の死体などに集まるハエ)が寄ってくるほどである。→エッセイ「例の臭い」 4月(2010)に畔屋で紅紫色の花のヒサカキに出会ったが、別種かと思われるほど印象が異なった。→参考画像 市街地周辺ではヒサカキをサカキと呼び神事に使うところが多いようだ。昨日(2013.10.8)、神社の境内にサカキとして植えられていのを目にしてなるほどと思った。(下写真) 一昨日(2015.12.12)博物館への公園の道沿いでヒサカキが黒く熟した果実をたわわにつけている様子が目についた。近寄って見ると近くの木には蕾らしきものが沢山ついていた。同じヒサカキには違いないが果実のついた木には蕾らしきものは一つもついていなかった。
ヒサカキは不完全雌雄異株といわれているが蕾のついている方は雄株であろうか。また、他の雌株には同様な蕾がついているのであろうか。 実のところ筆者は雌花を確認したことは未だない。両性花もあるといわれるが、そちらも含めて来春はじっくりと観察したいものだ。 一昨日〔2016.2.28〕に高柳雪まつりの撮影に行ったところ、会場の雪の祠に雪まつり成功祈願に使われたヒサカキに出会った。居合わせた在住の方に尋ねるとこのヒサカキは岡野町に自生しているということであった。石黒には自生していないことから、筆者は貴重な情報であった。しかし、帰宅して「高柳の自然」(1997年刊)を見たが索引にヒサカキは見当たらなかった。先年、岡野町の城山に上った時にも見かけた記憶がないことから、今年は、自分の目で確かめたいと思っている。(下写真) 〔写真2007.10.2 落合〕 赤紫色のヒサカキの花 写真2010.4.8 畔屋 葉の裏表
神社に植えられたヒサカキ 写真2013.10.8両田尻 海辺に見られる個体 写真2014.2.1鯨波海岸 海辺に見られる個体-2(椎谷観音上り口) 写真2017.2.16椎谷 雪まつりの祈願に使われたヒサカキ 写真2016.2.27岡野町 撮影大橋拓哉 |
解 説 ツバキ科 全国の山地に多く生える常緑低木。不完全雌雄異株で、雄花や雌花を合わせもつ中間型個体がある。 葉はやや厚く短い葉柄があり枝の上に2列に互生してつく。形は倒皮針形で長さ5pほど。先端は鈍形で縁には細かい鋸歯がある(左下写真)。 花期は3月〜4月。1個ないし3個の白い小さな花を葉の付け根ごとにつける。まれに紅紫色を帯びた花もある(左写真)。花には独特の強い匂いがある。 ガク片は5個で雄花、雌花、両性花があって各々つく株が異なる。雄しべは多数、雌しべは1個の子房と3つに分かれた花柱がある。 液果は熟すと紫黒色になり、多数の小さい種子がある。 名前の由来は「姫サカキ」がなまったもので小さいサカキの意味。 冬芽 新芽 写真2015.5.13田塚 葉の表裏 写真2013.7.16 畔屋 葉のつき方 写真2015.12.14畔屋 幹と切り口 写真2017.2.1田塚山 雄花 写真2010.4.8 畔屋 成熟前の果実 写真2010.6.30 平井 完熟の果実 写真2009.11.30 曽地 種子 写真2013.12.26 畔屋 |