ヒノキ
暮らしとの関わり
 ヒノキは石黒では稀に見られる樹木である。板畑集落では神社付近に十数本がスギと混生している。
 筆者の見る限り、各集落にあっても、ほんの数本が杉林の中に混在している程度である。もともと、新潟県はヒノキの北限に位置するのであり、とくに多雪地帯の石黒には適していないのものと想われる。
今後、留意して観察を続けたい。
 先日(2018.5.22)比角コミセンでの「野山を歩こう」に参加した折に、指導者から紹介され初めてアスナロに出会うことが出来た。未だ幼木であったが、酷似するヒノキとの区別点は葉の裏の紋様にあることも知った。(下写真)

〔写真2014.5.14 板畑〕


           樹皮や葉の様子の比較(左−ヒノキ)



   
写真2014.5.14 板畑

                  若い果実-1

写真2016.6.14谷根


          アスナロの葉との比較
 ヒノキ  アスナロ
 
写真 2014.5.14 板畑   写真 2018.5.22 小国 



解 説
ヒノキ科
 本州中部(福島県)以南、四国、九州の山地に生育し、幹は直立する常緑の高木。高さ30〜40m、直径1〜2mに達す。スギ同様、よく植林されてきた。
 樹皮は赤褐色で平で滑らかで縦に裂け目がはいり薄皮となって剥げ落ちる。枝は小枝を相互し平らに広がる。先端は鈍い。
 葉は小鱗片状になって枝に密着して対生する(上写真)。葉の裏面はY字形あるいは亀甲状の白い気孔帯があり、この形が特徴で同定のポイントの一つとなる。。
 花期は4月。雌雄同株であり、雄花は多数枝の先端につき、2〜3mmで紫褐色。鱗片内に3個のがあり黄色の花粉を出す。風媒花。雌花は枝の先につき球形で直径3〜5mm。鱗片内には4個の胚珠がある。
 球果は、木質で褐色の球形で枝上に叢生してつき径1pほど。種鱗は盾形で7〜9個ある。種子は鱗片の基部につき長さ3mmほど。左右にがあり晩秋に散布される。
 材は美しく耐久性が高く用途がおおく建築材としても最上である。
 名前の由来は「火の木」であり、こすり合わせて火をおこしたことによる。



        雄花
写真2008.4.18 板畑

      若い果実-2

写真2016.6.14谷根

       球果の中

写真2016.8.5茨目

    ヒノキ切り口の様子

写真 2018.4.12 上田