ヒマラヤスギ 〔ヒマラヤシーダー〕
暮らしとの関わり
 石黒地区には、筆者が子どもの頃には家の近くに植えられたものが、何本か見られたが今ではほとんどない。松葉が畑の白菜などに入り込むことが嫌われたものではないか。
 下石黒にもかなり大きな木があり、それが筆者の生家の庭先から東側下方に美しい樹形を見せていた。夏休みの宿題の絵に大きな茅葺屋とこのヒマラヤスギを描いたことを憶えている。
 今でも家は残っているがヒマラヤスギは伐採されてその姿を見ることはできない。しかし、私の脳裏に刻まれたその民家の光景には一本の大きなヒマラヤスギがある。まさに、あのヒマラヤスギは今も、私にとっては単なる木ではなく「汝」としての存在であるのかもしれない。
 上の写真は柏崎市街地で撮った。市街地には公園樹などとして植えられたヒマラヤスギは普通に見られる。
 開花から種子の散布までは、アカマツクロマツ同様、丸一年以上かかるものらしいが、この目で直に見届けたいと思っている。
 とくに、種子と薄い翼のはたらきを実際に落下させて観察することを楽しみにしている。

写真2014.7.6 緑町

                 夏の頃

写真2014.7.6緑町

                大木

写真2014.7.29北条
解 説
マツ科
 植栽木。ヒマラヤ北西部〜アフガニスタン東部原産。日本には明治の初期に英国人が種子を持ち込み実生から育てたと伝えられる。
 日本では高さ20〜30mになるが原産地では高さ50m、直径3mにも達す。雌雄同種雌雄異花
 枝は水平に広がり、樹幹は円錐形。樹皮は灰褐色で鱗片状にはがれる。
 葉は,短枝では多数束生し、長さ2.5〜5pの針状。断面は鈍三角形か円形。白色の気孔帯がある。
 花期は10〜11月。雄花は穂状でやく3pで初め淡緑色後に茶色で獣の尾のようになり花粉を放出する。
 雌花は小さく5mmほどで円錐形で淡緑色で目だたない。
 果実は球果〔上写真〕は長さ6〜13pの卵形で翌年の10〜11月に成熟し、種子のついた果鱗を散布し花軸は残る。種子はクサビ状卵形で長さやく15mm。



      葉の様子

写真2014.7.6緑町