ヨタカ | |
暮らしとの関わり ヨタカは石黒で現在は鳴き声を聞くことはないので生息していないものと思われる。昭和30年代までは生息していたことは確かである。 初夏の夕暮れになると下石黒では城山の中腹あたりで、決まって「キョキョキョキョキョ」というよく響く鳴き声がしたものである。 それがヨタカという鳥であることは、中学生の頃に知ったが、私はいまだかってその姿は見たことはない。 だが、その独特の鳴き声は遠い子ども時代の記憶の中で、ウグイスやホトトギス、カッコウなどと共に忘れがたいものの一つである。 山の端に日が落ちて村が夕闇につつまれる頃に、決まって鳴き声が聞こえるのはこのヨタカであった。フクロウやホトトギスの鳴き声もしたがヨタカの鳴き声は、まるで急テンポに拍子木を叩くようで、村道で遊びほうけていた子どもたちを家路にせき立てた。 写真は石黒では撮影不可のため下記サイト制作者の許可を得て借用した。 〔写真 HP 「ネイチャー遊歩」 http://rara.ho-zuki.com/より〕 |
解 説 ヨタカ科 日本には夏鳥として北海道から九州の平地や山地に渡来する。 全長29pほどでキジバトを少し細くしたくらいの大きさ。 体色は全体が焦げ茶色で複雑な虫くい状の枯葉模様で保護色となる。そのために木の枝には平行に止まり木のこぶのように見せる。 夜行性で、昼間は樹上で休むが木の幹に似た色のため目立たない。また、産卵も地上の羽色に似た落ち葉の中に簡単な巣をつくり一腹2個の卵を産む。孵化したヒナも枯れ葉に似た色をしている。抱卵期間は約20日。 夕方から夜間にかけて活動し低空を飛び、飛んでいるガなどの昆虫類を捕食する。このため、くちばしは小さいが口はきわめて大きい。 環境省カテゴリー 絶滅危惧II類。 |