カッコウ
暮らしとの関わり
 石黒では「カッコ」と呼びその鳴き声には親しみを感じる野鳥だが、最近(2009年)は、鳴き声を耳にするのはほんの数回しかない。
 一昨年は自宅改築のため、石黒に居住していたがカッコウの鳴き声は2、3回しか耳にしなかった。もともと、カッコウは開けた土地や草原に多くすんでいる鳥で山深い石黒のような場所には少ないのかもれない。
 だが、私が子供のころ(1945年ころ)には5月になると毎日のように鳴き声が聞こえた。
 青葉の季節、村中の大人たちが午睡する、けだるいようなひとときに庭先で遊んでいると、上石黒の方角からしきりにカッコウの鳴き声がしたことを覚えている。
 しかし、子供の頃から今に至るまでカッコウの姿を見たことは一度もない。写真撮影は、これからも出来そうもないので「ネイチャー遊歩」様にお願いして写真をお借りすることにした。

 今日(2019.5.29)、野鳥研究者の長谷川さんと久しぶりに板畑の嶽を訪れた。一昨日の真夏日から急激な気温低下で晴れてはいたが、嶽のソバ畑あたりでは微風が冷たいほどであった。昼食を終え腰を上げた直後にあたりにけたたましいほどのカッコウの鳴き声がして、2羽が50mほど前方に現れ杉の梢に1羽が止まった。千載一遇のチャンスと急いでカメラでとらえてシャッターを切った。ピントは甘いが何とか上の写真を撮ることが出来た。10年ほど前に「ネイチャー遊歩」様より借用した写真を漸くお返しすることが出来た。長い間有難うございました。

( 写真 2019.5.29板畑 嶽 )


             2羽のカッコウ

写真 2019.5.29 板畑 嶽 



解 説
ホトトギス科
 夏鳥として5月上旬に北海道から九州までの各地に渡ってきて繁殖し9月ごろに去っていく。越冬地は中国大陸南部・マライ・インドシナ半島・インド。→地図
 全長35cm、翼長20〜30センチで雌雄同色である。オスは5〜7月にかけて梢にとまって大きな声で鳴く。メスは「ポッピッピッピッ」というような鳴き声。主な餌は毛虫類である。
 カッコウは自分で巣はつくらずオオヨシキリやモズ、ホオジロなどの巣の卵を1つ取り除いてすばやく自分の卵を産みつける。卵はやや大型であるが模様は酷似する。
 托卵するのわけはカッコウが体温変動が大きく抱卵に適していないことによるといわれる。 
 カッコウの卵は10日ほどで仮親の卵より早く孵化し、孵化した雛は仮親の卵を背中にのせて外に放り出す。
 名前の由来はその鳴き声そのまま、名前としたもの。



      正面から

写真 2019.5.29 嶽 長谷川

    撮影地付近の様子

   写真拡大→クリック