ジュウモンジシダ
暮らしとの関わり
 ジュウモンジシダは、石黒ではどちらかと言えば少ない植物のひとつである。
 ブナなど広葉樹の葉が落尽くした晩秋の山を歩いていると、しばしばジュウモンジシダに出会う。
 寒さに強いジュウモンジシダやリョウメンシダは、初冬も未だ鮮やかな緑色を保ち、目をひくばかりかほっとした心の安らぎさえ感じさせる。
 調査のデータがあるわけではないが、筆者の十年にわたる観察では、ジュウモンジシダの石黒における個体数は確実に増加している。このことと、山林の荒廃、および放棄田などの増加と無関係ではないと思っている。
  
(写真2010.6.18下石黒 地名バシドコロ )



           群生
写真2011.6.3下石黒

 
          胞子のつきかた

写真2010.6.10下石黒

                 幼苗

写真2009.5.19下石黒

       ブナの幹の苔の中に生えたジュウモンジシダ

写真2010.10.8大野

         冬に目立つジュウモンジシダ

写真2010.12.1大野

解 説
オシダ科
 北海道から九州の山中の落葉樹林下に特に多く生育する。
 半日影の湿った場所を好む。寒さにはかなり強いが新潟県では落葉性となる。
 根元は枯れ葉の基部で被われる。
 葉は束生して羽状となり最下羽片だけは右上写真のように特別大きく分裂した羽状となる(上写真)。葉柄の下部は鱗片に覆われる。
 葉の長さは20〜60p。
 胞子小羽片主脈の両側に1列にまばらにつく(左下写真)
 名前の由来は、十字形の葉の形による。



   葉柄下部の鱗片

写真2010.6.18下石黒

       葉の形

写真2010.10.17下石黒

       春の頃
写真2009.4.29下石黒
※この年は記録的な暖冬小雪であるためか前年の葉がきれいに残っている。この時期に黒姫山には残雪が一片も見られなかった。