ゼニゴケ | |
暮らしとの関わり ゼニゴケはジャゴケとともに、あまり歓迎されない植物だ。庭や花壇などに繁茂すると他の苔や植物の生長を妨げるからだ。 どちらも湿気のあるところを好むといわれるが、半日陰のところなら自ら湿気を蓄えて育つようだ。 以前、山野草に混じって庭に植えられたジャゴケが増えて退治することに手間取った経験がある。 〔写真2006.7.12下石黒〕 雄株の杯状体の中の無性芽〔クローン〕 写真2006.7.12下石黒 雌株の胞子 写真2011.6.15下石黒 雌株 写真2011.6.15下石黒 群生 写真2012.10.2下石黒 |
解 説 ゼニゴケ科 日本各地の人家近くの日陰の湿地などに群生して生える。 葉状体の幅は1〜2p、表面は緑色。腹面には紫色を帯びた鱗片状の付属物を持ち又状に分かれる。裏には仮根〔下写真〕をもち体を地表に固定するが、水分や栄養の吸収はしない。(葉状体で行う) 縁は多少波状に縮れ表面の気孔は少しふくらむ。葉状体の中央脈上に杯状の無性芽器をもつ(左下写真)。この中にたくさんの無性芽(扁平の粒状)をもつ。雨がふり水があふれると水とともに流れ出して散布され増える。 雌雄異種。精子を作る雄器托は雌器托ともに長い柄がある(左上写真雌器)。雌器托は基部まで放射状に9〜11裂片に分かれ、裂片は丸みのあるコン棒状で初め垂れ下がっているが熟すると平らに開く。雌器托は円盤状で浅く8裂する。胞子は黄色。 この雄器托と雌器托により胞子が出来て増えるが、前述の無性芽器による増殖の方が多い。 名前の由来は表面の気孔区画を銭形にみたてたものなど諸説がある。
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