ヨウシュヤマゴボウ | |
暮らしとの関わり 石黒では、ごく稀にしか見られないが、市街地付近では普通に見られる。石黒では同種ヤマゴボウも極めて少ない。 有毒植物として知られているが、果実だけは毒性が少ないと言われる。野鳥によって種子を散布するには、果肉が有毒であっては戦略的に望ましくないということであろう。 3年前〔2009〕に平井地内で、とても大株のヨウシュヤマゴボウを発見して毎年夏から秋にかけて観察してきた。→参考画像 ところが、今年(2012)は株の交代が行われたらしく、去年の4分の1にも満たない小形の個体に変わってしまった。 筆者の観察では、ヤマユリなどは開花から4年以上植え替えをしないと自然に鱗茎が消滅して針のように細い新芽を残して世代交代を行うようだが、この巨大な株のヨウシュヤマゴボウの世代の交代はどのように行われたのであろうか。自生の場所がほぼ同じことから、古い株部分が消滅し新たに分株して世代の交代を行ったようにも思われる。 自家中毒作用など植物学的見地から調べても見たいとも思うが、筆者は、ただこうした現象を親しく観察して、我々ヒトを含む大自然の営みの一端として知ればそれでほぼ満足できる。なぜなら、その植物についていくら学術的な知識を深めても、私とその植物との出会いを豊かなものにしてくれるわけではないからだ。 写真2009.8.24大野 幼苗 写真2012.7.1大野 夏の花芽 写真2010.7.25上石黒 茎の縦横断面 写真2009.6.31大野 花拡大 写真2007.8.27大野 海岸のヨウシュヤマゴボウ 写真2012.9.2荒浜海岸 初冬の様子 写真2010.12.25畔屋 |
解 説 ヤマゴボウ科 明治初期に渡来した北米原産の帰化植物。大形多年草。 根は肥大して肉質となる(下写真)。 茎は直立して枝を斜め横に広げ草丈は2メートルにも達する(→参考画像)。上部は赤色を帯びた枝を四方に広げる(左上写真)。 葉は互生し柄があり全縁で、長さ25cmにもなる(下写真)。 花期は6〜8月。紅色を帯びた淡紅白色の小さな花をつける。ガク片は5個で花弁はなく、雄しべ10個と花柱10個がある(左下写真)。 果実は赤紫に熟し垂れ下がる。有毒植物であるが果実は毒性が少ないといわれる。果汁は濃い紫色。 名前の由来は「洋種ヤマゴボウ」の意味。別名アメリカヤマゴボウ 幼苗 写真2013.5.24畔屋 特に大きさな葉の裏表 写真2009.6.31大野 肥大する根茎 写真2011.9.27田塚 つぼみの頃の様子 写真2009.7.14平井 秋の頃の茎の色 写真2012.10.20田塚 果実と種子 写真2010.12.25畔屋 冬の根茎地上部株 写真2013.2.5田塚 |