ウワバミソウ | |
暮らしとの関わり 石黒では「ミズナ-水菜であろう」と呼んだ。ミズナは石黒にはそれほど多く見られる植物ではない。下石黒などでは、どちらかというと珍しい山菜であった。 山菜としての採取時期は長く7月になっても採取し食用にできた。杉林の中などにもあるが、沢縁の透き通るような茎のミズナが好まれた。→参考画像 赤身を帯びた透明感のある茎を油で炒めると一瞬にして鮮やかな緑色に変った。 石Kではウワバミソウによく似たヤマトキホコリは「アオミズナ」と呼んでこれも山菜とした。 (写真上2005.5.8下石黒 右上下2005.6.18上石黒 右説明下2006.9.28下石K) 若芽 写真上2007.5.9下石黒 ウワバミソウの群生 写真上2009.5.19落合 ウワバミソウの全体の姿 写真2009.5.29下石黒 政栄 葉のつきかたと形、茎のふくらみ(ムカゴ) 写真2009.10.15下石黒 |
解 説 イラクサ科 日本全土の湿った斜面などに見られる雌雄異株の多年草。 根茎は短く多肉質で紅色わ帯びていてヒゲ根を出す〔下写真〕。 茎はやや斜めに伸び高さ30p内外で群生する。無毛。 葉は光沢があり、2列に互生し無柄で真ん中の葉脈の左右の幅がちがう。先端は尾状に鋭く尖り縁には粗い鋸歯がある。〔左上写真〕。長さ5〜12p。幅2〜4p。両面に短い毛がまばらにある。 花期は4〜6月。雄株の葉のつけ根から葉より短い花柄を出し黄白色の雌花をかためてつける(上右下写真)。雄花に花披4〜5個、雄しべ4〜5個がある(下写真)。 雌株では雌花が葉のつけ根にかたまってつく。柄はない〔上写真〕。雌花には花披が3個あり柱頭は毛筆状である。 そう果は卵形で長さ1oほどで表面に少しシワがある。また秋になると茎の節々が膨らみムカゴ〔珠芽〕となり、のちに倒れてそこから繁殖する。(下写真) ミズナなどと呼ばれ山菜として用いられる。 似た植物にヤマトキホコリがあるがムカゴはつかず、花期が8〜10月であり区別出来る。 名前の由来はウワバミ(大蛇)つまり蛇の出そうなところにある草の意味。 雌花拡大 写真2009.5.5上石黒 ウワバミソウの根茎 写真2009.5.29下石黒 政栄 黄色く色づいた晩秋の個体 写真2016.11.18下石黒 |