ウシハコベ
暮らしとの関わり
 石黒では、ハコベやミドリハコベと一緒にしてヒョッコグサと呼んだ。
 子どもの頃(1940代)に祖母に言いつけられて、ハコベを一抱え採ってきて鶏小屋につり下げると鶏が争って食べたことを憶えている。(※青物を食べさせると卵の黄身の色が濃くなった。したがって冬季の卵の黄身の色は非常に薄かった)
 ハコベ類は小鳥が好む草としては世界的に有名な植物であり、英名は鳥の餌を意味するchick weedsであるという。
 ウシハコベは、他の二つのハコベに比べて大きいこと茎が紫がかっていること,めしべの先が5つに分かれていることなどで区別できる。
 ウシハコベも春から秋まで次々と発芽して開花するので畑の害草として嫌われてきた。

(写真2005.10.11下石黒)


      畑をたちまち覆おうウシハコベ

写真2009.10.1下石黒

    萼編の腺毛と5個ガクと5個の花弁の長さ

写真2009.10.1下石黒

   比較参考画像 ハコベ



解 説
ナデシコ科
 日本全土の道端や畑などに普通にみられる越年草、ときには多年草
 麦の栽培とともに伝来した史前帰化植物の一つとされる。
 根はヒゲ状。茎の高さ20〜50p。下部は横にはい上部は斜めに立ち上がって、円柱形で紫色を帯びる(左上写真)。先のほうにはいくらか腺毛があり茎の中には一筋の維管束葉脈に通じる管の集まり〕があり糸のように見える。
 葉は対生し卵形で先がとがる。葉の長さは2〜7p。葉脈は上面で凹む。下部の葉には長い柄があり上部のものは無柄。上部の葉は無毛で茎を抱く。
 花期は4月下旬〜10月。花はガク片は5個、花弁も5個であるが深く2裂するため10枚に見える。(右上写真)雄しべは10個。花柱は5個に分かれる。 ハコベやミドリハコベに似るが卵円形の子房の上にある花柱が5本に分かれるところが異なる。(他は3本)花柄やガク片にも腺毛がある。〔左下写真〕
 さく果は卵形で宿存ガクより長く上部は5つに裂けて各片の先は更に2つに尖裂している。
 名前の由来はハコベに比べ大形であることによる。



      対生する葉
写真2009.10.31下石黒

     葉裏の様子

写真 2020.6.7 下石黒