ウド
暮らしとの関わり
 昔から、石黒で最も多く食された山菜は、なんと言ってもウドであろう。ウドは捨てるところのない山菜である上に、石黒ではいたるところに生えていて容易に採ることが出来る。
 昔から、お汁の鍋を囲炉裏にかけてから、具にするウドを裏山から採って来る、と言われたほどである。
 料理法(昔の山菜料理・参照)は様々あるが、何と言っても早春の山で茎の白い若芽を掘って生味噌をつけて即座に食すに勝る味わい方はないであろう。
 その他、若芽の先の葉の天ぷらも絶品である。それにもまして「ウドのニンニク和え」の絶妙な味わいは、食した者同士でなければ語ることが出来ないであろう。
 花は地味だが、夏、たくさん集まって咲く様は、さながらウドの花模様と呼んでよいほど美しい→参考画像

(上写真2009.4.18泊山-記録的な小雪。黒姫山に残雪なし 右上2004.4.29・右下2005.8.30下石黒)


            
  若草の頃

写真2010.5.26寄合

             葉の様子

写真2005.6.23上石黒

                 つぼみの頃
写真2016.7.3下石黒

              花期のウド

写真2010.9.10下石黒

         花弁とおしべ

写真2005.8.10下石黒


            種子散布後の様子

写真2005.9.29寄合

  
        山菜として昔から食された

写真2014.4.27下石黒

  
解 説
ウコギ科
 日本全土に自生する多年草。  茎は高さ1.5m内外で太く毛がある。まばらに枝分かれし長く伸びる。
 葉は、互生し葉柄は長く枝分かれし2回羽状複葉〔左下写真〕で茎とともに細かい毛があり(下写真)縁には鋸歯がある。
 夏には、茎の上部にたくさんの薄緑色の花が丸く集まって咲く〔散形花序〕。花の色はうす緑色から白く変化する。花には5個の花弁と5個の雄しべ、下位子房、5本の花柱がある〔左下写真〕。花は、雄花と雌花(両性花)に分かれている(下写真)
 秋には黒い実〔液果〕がなる。
 若い芽〔左上写真〕は食用になり美味。
 名前の由来は土中にあるものを食用とするのでウズ(埋)の転訛等諸説がある。



両性花序の下方につく雄性花序

2013.9.12下石黒

    開花から果実へ

         雄花

     両性化(雌花)

         果実

写真2004.9.4下石黒

    成熟した果実

写真2015.9.29北条

        種子

写真2014.10.3下石黒

       茎の毛

写真2010.5.18落合 政栄

  白毛に包まれた若い葉
写真2010.5.12上石黒