チョウジタデ | |
暮らしとの関わり 石黒での方言名は伝わっていない。コナギやイボグサなどほど強害草ではなかったせいであろう。 チョウジタは、稲作の伝来とともに大陸から渡ってきた帰化植物といわれている。 昔は春から夏にかけてかなり多く発生する水田の害草であった。故郷石黒の水田は天水田であったために畔の水際に多く生えた。 とくに、昔は秋の稲刈り時に葉、茎ともに赤く色づき目立つ雑草であった。子どもの頃に田の畔に生えていたこの草の印象が今も残っているのはそのせいであろう。 海綿状の白い太い呼吸根は、本HPを作り始めた時に初めて間近に見て驚いた。(下写真) 今日では、休耕田や放置した田などに群生しているのをよく見かける。 昨日(2011.10.12)、市街地周辺で休耕田一面に広がった紅葉したチョウジタデに出会った。→参考画像 今日(2020.10.20)夕方、新田畑の農道を散歩していると休耕田に赤い草の群生が目を引いた。近づいて見るとチョウジタデであった。→参考画像 (上写真2005.8.17 右上2005.7.25大野) 休耕田に群生したチョウジタデ 写真2005.10.25大野 全草が赤く色づく様子 写真 2011.10.20 下石黒 さく果と種子 写真2005.10.25大野 白い気根 写真2007.10.5大野 紅葉始めた頃のチョウジタデ 写真2007.10.4 寄合(夕方撮影) |
解 説 アカバナ科 日本全土の沼地などに群生する1年草。 根は先がやや太くなった呼吸根を出す。〔左下写真〕 茎は直立あるいは斜めに伸びて分枝し高さ40~60㎝ほどになる。縦の稜があり〔下写真〕緑色でしばしば赤味を帯びる。 葉は皮針形で互生し短い柄があり緑色でしばしば赤味を帯び長さは5㎝、幅一㎝内外。葉の縁にはほとんど切れ込みはなく羽状の支脈が多い。〔下写真〕 花期は8月~10月。葉の付け根に柄のない黄色い花をつける。基部に2個小包があり、花径は1㎝以下、ガクは緑色で4個、花弁も4個、雄しべは4個、花柱は1個で子房は下位で長い〔下写真〕。 さく果は棍棒状で長さ2~2、5㎝。4稜があり熟すと皮がはげて種子が現れる〔左下写真〕。 名前の由来は花後の果実が丁子〔チョウジ〕のつぼみに似ていること、葉の形がタデに似ることによる。(下参考画像参照 ※丁子→ フトモモ科の常緑高木。つぼみを乾燥したものを生薬や香辛料または油をとる) ガク・花弁・雌しべ・花柱 写真2005.7.25大野 紅葉と羽状の葉脈 写真2005.9.29大野 稜のある茎 写真2005.9.29大野 種子拡大 写真2010.10.31上石黒 名前の由来-花後の様子 写真2006.9.26下石黒 丁子(樹木)のつぼみ 名前の由来参考画像 コピー |