コナギ

暮らしとの関わり
 石黒では「ナギ」と呼んだ。昔はヨバイグサ(イボグサ)と並んで東西横綱と言いたいほどの田の強害草であった。
 コナギの種子は1株当たり1000〜3000粒ほど結実すると言われ、草取りを怠るとたちまちおびたたしい数のコナギが水田を覆った。
 昔は、3回も手で田の除草したが、稲刈りの頃には再び隙間なく繁茂していた。
 除草剤が使われるようになった今はコナギは水田には殆ど見られない。(除草剤をまかないと右上写真のようにびっしりと繁茂する)
 しかし、最近、無農薬栽培が行われるようになると再び強害草として復活しその対策が課題となっている。
 
(上・右上写真2005.7.19落合 右上2005.6.26大野)



          全体の様子

写真2008.8.18上石黒

 
     雄しべと柱頭

写真2005.7.19落合

          花後に下を向く花序

写真2010.9.14大野

         放棄田に群生したコナギ

写真2011.9.24下石黒


解 説
ミズアオイ科
 水田の雑草となる一年草。高さ10〜30p
 茎は短く5、6本束になって生える。質は多汁で、1枚の葉がつく。
 茎上の葉は、柄が長く、柄の長さは4〜6pほどある。柄の基部は2裂し片面だけ鞘状となりその間から花柄を出す(左下写真)
 葉形は幼株のときには幅が狭く披針形であるが〔下写真〕成長につれて幅広くなり卵形となる。長さ3〜7p(下写真)
 花期は9〜10月。茎の葉柄の脇に径1.5pほどの青紫色の花を数個つける〔上写真〕。花は葉より高くならないので目立たない。オシベは1個で柄(花糸)に突起がある。花が終わると花序は基部から曲がって下を向く(左下写真)
 さく果は楕円体で先端が鋭く尖り多数の細かい種子が入っている。
 東南アジア原産で稲作の渡来と共に帰化した植物で万葉の時代には野菜とされていたといわれている。
 名前の由来は小形のナギの意味でナギはミズアオイの古名。



   幼体から成長の様子



写真2012 茨目

      花のつくり
写真2010.9.14大野

      果実と種子写真2010.9.19大野