ツルヨシ
 暮らしとのかかわり
 石黒では未だ出会ったことはないが、河川の上流域から渓流域まで自生しているといわれているので今後、留意して観察したい。
 市街地周辺でも今回が初めての出会いである。 かねてより名前とともにヨシが地下茎を伸ばすのと対照的に地上で茎を伸ぱす
ヨシがあることを知り、出会いの時を待っていたがついに今、その幸運に恵まれた。
 また、いまだ匍匐茎が盛んに伸びて各節から芽が伸び始める頃でツルヨシの特徴がよく現れる時期(→画像)で幸運であった。
 今秋には是非、花穂を撮影したい。

上写真(直線状に伸びたものを曲げて撮影したも)       撮影 2020.7.19 松美町


           紫色を帯びる葉鞘

          各節からでる芽
写真2015.6.19藤井

        太い根茎を出して地表を這う
写真2015.6.19藤井

          長くのびる匍匐茎

写真 2020.7.19 松美町

          穂の様子(ヨシによく似る)

写真 2019.9.19 松美町


      海岸の砂浜のツルヨシ−根茎の長さ約10m

写真 2020.10.29 柏崎中央海岸


解 説
イネ科
日本各地の河岸の砂地、谷川の岸に群落をつくる多年草根茎匍匐茎)は地表をはい、ときには3〜10mにも及ぶ(→参考写真)
 根茎は円柱形で紫色、節ごとに分枝しひげ根を出して成長すると節間は枯れて双方が独立した株となる。したがって繁殖力は極めて旺盛である。
 茎は円柱形で中空、高さ1.5〜2mに達する。節には短い軟毛がある(下写真)。節からでる芽は先ず下方に向かって伸びそこで根を張りその後は上に向けて伸びる。
 葉は互生披針形で茎を包み葉鞘のは赤紫色で葉鞘の口には毛はない。
※資料→ヨシとの葉舌比較
 秋には茎の先端に紫色の花穂を直立させてつける。花穂の長さは25〜35pほど。多くの小穂からなり後に紫褐色となり、其の形態はヨシに酷似する。小穂には非常に細い柄があり数個の花をつける。花の長さ8〜12mmほど。小軸には絹のような毛をつける。包頴は内外2枚で披針形、護頴よりも大きく長い。護頴は細長く針のように尖り最も下の一枚は裸である。雄しべは3本、花柱は羽毛のようである。
名前の由来は、蔓のように伸びた根茎による。



   5mに達した地上茎写真2015.6.19藤井

    中空の茎
写真2015.6.20藤井

  節の毛とひげ根→特徴

写真2015.6.20藤井
写真2020.7.20松美町