ツルニガクサ
 暮らしとのかかわり
石黒では、林道の脇などに普通に見られるが、似たような植物も多く見られる。。
 筆者にはシソ科の野草には分からないものが多い。
ツルニガクサもその一つであった。特に、似た植物にニガクサがあるがこちらは、以前に同定したのだが、本種ツルニガクサと二つに絞って同定したわけではなかったので、今まで不明のままで来てしまった。
 先日、WEB上で調べるとツルニガクサであることが判明した。決め手はガクなど花序に見られる腺毛である。ニガクサには毛は見られるが腺毛は見られない。
 ただ、名前ツルニガクサの「ツル−蔓」の由来はどこにあるのであろうか。未だ、その長さ等比較したことはないがニガクサも地下には走出枝はある。また、筆者が葉を噛んで見た限りでは特に苦味は感じなかった。
 今後、両種のガクなど各部を比較してみたいものだと思っている。
 
写真2013.7.28 上石黒

              対生する葉
写真2012.7.28.上石黒

         腺毛の密生するガク

写真2013.8.11落合

        ツルのように長い走出枝

写真2013.7.28.上石黒



解 説
シソ科
 日本全土の山野の木陰に生える多年草
 地下に細長い走出枝を伸ばす。
 茎の高さは20〜40p。四角形でまばらに細かい毛が見られる。
 葉は対生し、長い柄があり〔上写真〕 長さ3〜10p、幅1.5〜5p。縁には粗い鋸歯がある〔下写真〕。葉の質は薄く脈は表面では凹んでいて〔下写真〕まばらな毛がある。
 花期は、7〜9月。上部の葉のつけ根から長さ2〜8pの総状花序を伸ばし薄紅色の唇形の花をたくさんつける。
 花序ガクには細かな腺毛が密生する。花冠の長さは8〜10mmで、下唇は長く前に突き出る。上唇は小さい。雄しべは4個で2個は長い。
 果実期にはガクは丸くふくらみ、先はすぼみ中に褐色で卵形の4個の分果を包んでいる。
 名前の由来は、「蔓苦草」の意味であるが蔓とは地中の走出枝を指すのかどうかは不明。



   四角で毛の生えた茎

写真2013.7.28.上石黒

   葉の縁の鋸歯
写真2013.7.28.上石黒

   葉の表面のまばらな毛
写真2013.7.28.上石黒