ツルアリドオシ
暮らしとの関わり
 ツルアリドオシは晩秋の山でよく目をひく植物である。
 赤い果実も美しいが、冬枯れの中の鮮やかな緑色の葉も美しい。
 以前、秋の頃に、春2つ花が並んで咲くので2つ並んでつく果実がつくものと思い探したが中々見つからない。後に、植物に詳しい友人に2つの花で一つの実を結実すると教えられて驚いた思い出がある。
 果実の上部の2つの突起はそれぞれの花のガクの跡であるとは想像もつかなかった。
 したがって、正確には、ツルアリドオシの果実は1個(単体)の果実とみなすことはできず、複数の果実がひと塊となったものと見なければならないことになる。
 先日(2014.1.3)に、冬山の観察に畔屋に出かけると農道わきにツルアリドオシとヤブコウジが一緒に赤い実をつけていた。→参考写真
 また、2015.2.22に軽井川の林縁で枯葉の布団を覆って緑の葉と赤い果実をつけたツルアリドオシに出会った。まさに
彼等は常緑多年草なのである。

(写真上・右下2005.10.6下石黒 右上2005.6.23下石黒)


               夏の様子

写真2006.7.1下石黒

            秋のツルアリドオシ

写真2007.10.10下石黒
写真2013.10.26北条

          繁茂するツルアリドオシ

写真2009.10.7下石黒

  厚く光沢があり毛がなく縁が波状の葉

写真2004.12.4下石黒

     成熟すると突起部分が凹む
         写真2013.10.26北条

       2月に出会ったツルアリドオシ
写真2015.2.22軽井川
               果実期
 写真2017.10.21下石黒生家跡
解 説
アカネ科
 北海道から九州の各地の林床に見られる常緑のツル性多年草
 茎は節から根をだして1mに達することがある。
 葉は卵形で深緑色、長さ1〜1.5p。厚く、毛はなく光沢がある。縁は多少波状となり葉柄の長さは2〜5o。
 花期は6〜8月。花は漏斗形で茎の先に短い花茎を出して普通2個並んでつく。花筒の下にある子房は2個が合着している。 また、株によって雌しべが長く雄しべが短い花と雄しべが長く雌しべが短いものがある〔写真準備中〕。
 果実は一つで、対をなした子房は互いに合着しているためつなぎ目のないあたかも一つのような果実ができる。果実(液果)の径は約。8o
 果実の上の2つの突起は(上写真)花のガク(萼)の跡である。




    葉の両面と大きさ
写真2009.10.7下石黒

   ツルアリドオシのつぼみ

写真2006.6.30下石黒

     横からの花姿
写真2006.6.30下石黒

    青い頃の果実

写真2014.8.14畔屋

  ブナの葉と比べた大きさ
写真2010.10.15下石黒

     果実上の突起

写真2005.6.23下石黒

         種子
写真2013.10.26北条

    種子拡大

写真2015.12.2畔屋